軽トラックで地域活性化「しずくいし軽トラ市」に学ぶ

自工会広報誌「JAMAGAZINE」12-1月号よりピックアップ

 岩手県雫石町の中心商店街「よしゃれ通り」で11月7日、「しずくいし軽トラ市」が開かれ、多くの人々で賑わいました。同町は軽トラックの荷台を使って野菜や海産物、工芸品などを販売する軽トラ市の発祥の地です。この「元祖 軽トラ市」を手本とした取り組みは全国に広まり、地域活性化に役立っています。自工会は全国の軽トラ市を応援するため、今回の軽トラ市を見学し、実行委員会との意見交換も行いました。

軽トラ市は観光資源にも

 同町の軽トラ市は2005年7月に始まり、概ね5~11月の毎月1回、年間7回程度開催されています。よしゃれ通り約470mの県道を歩行者天国にして、午前9時~午後1時の間、通りに並んだ50~60台の軽貨物車両の露店が様々な商品を販売し、商店街の店舗も参加。毎回4000~5000人が来場し、活気のある軽トラ市は観光資源にもなっています。この軽トラ市は、同町が商店街や中心市街地の活気を取り戻そうと2003年に中心市街地活性化基本計画を策定し、これを受けて雫石商工会が策定した「雫石町TMO(タウンマネジメントオーガニゼーション)構想」の事業から生まれています。

継続開催の条件に合致

  事業のワークショップの中で、商店街の活性化策として、農家で軽トラックの荷台に朝採れ野菜を積み商店街まで売りに来てもらう案が出ました。商品は荷台にあるので売れ残っても出店者の撤収作業の負担は少なく、運営側も自分たちで場所を設営するわけではないので手間が少ない。「これは継続してやっていけるのではないかと考え出されたのが軽トラ市」(しずくいし軽トラ市実行委員会の相澤潤一委員長)ということです。その後、会場の県道に交通規制をかけて歩行者天国とするため、商店街はイベント特区の認定を国から受けています。開催日は市場調査の結果から毎月第1日曜日としたそうです。

軽トラ市には笑顔があふれている

 さらに、出店車両を「4ナンバーの軽貨物車両」としたことも成功要因の一つです。軽トラは車体がコンパクトで規格が同一のため、車両を並べやすく、お客さんとの距離が近いことが理由として考えられます。様々な出店者が参加し、商品も「4割強くらいは食べ物関係」(同)となりました。また、フリーマーケットなども開かれ、幅広い年代の来場者が得られています。
見学で訪れた自工会メンバーも「軽トラ市が雫石町に根付いて、来場者が本当に楽しみで来られている」(自工会軽自動車企画部会長の池原勉)、「皆さん笑顔で売ったり買ったり、しゃべったりしている。そういった笑顔の量産を軽自動車を通じてやっている」(自工会次世代モビリティ領域長の田中正実)と軽トラ市が地域に貢献していることをを体感しました。
自工会ではモビリティを通じた地域創生、幸せの量産に貢献することを目指しています。今回の見学で行ったしずくいし軽トラ市実行委員会の相澤委員長との意見交換で得た内容を生かして、軽トラ市を多くの人に知ってもらう応援を広げていきます。

出店車両を軽貨物車両としたことが様々な年代層を誘引

集客効果の高い軽トラ市は観光資源となった

軽トラ市特設ページを開設

 自工会軽自動車委員会では各地の軽トラ市の主催者団体にヒアリングを実施したところ「軽トラ市そのもののP Rや開催告知、集客のための企画案や好事例など他団体の情報を得る横連携のサポートを」とのニーズが多く寄せられたことから、自工会WEBサイト内に軽トラ市の特設ページを開設しました。
「軽自動車を活用されている方々を応援したい」との思いから、今後全国各地の主催者と連携し、軽トラ市の開催予告やイベント報告などを集約し掲載していく予定です。ぜひご覧ください。

特設サイトイメージ

参考サイト

 

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