クルマは社会のライフライン!日々の生活を支える働くクルマ

新型コロナウイルスの感染拡大により、日々の生活を支えるエッセンシャルワーカーの方々の頑張りが改めてクローズアップされました。同様に日常生活を支え、なくてはならない存在なのが働くクルマです。自動車メーカーでは、用途に応じて大小さまざまな働くクルマを提供しています。加えて、少子高齢化など将来の社会問題を見据え、人に寄り添う働くクルマも日々進化しています。自工会の会員会社が提供する最新の働くクルマや取り組みの一例を紹介します。

・日産自動車

タクシーから救急車まで幅広く手がける日産自動車。量産電気自動車(EV)のパイオニアとして、EV「リーフ」のタクシーなども提供しています。特装車はグループ会社の日産モータースポーツ&カスタマイズオートワークス京都が開発・生産しています。また、神奈川県横須賀市のテストコース「グランドライブ」では、働くクルマを集めたメディア向けイベントを開催。災害派遣医療チーム「DMAT」で活躍する「エクストレイル」など、さまざまな働くクルマを紹介するほか、初代リーフのリチウムイオン電池をリユースしたゴルフカートなどを紹介しています。

「はたらくクルマ」イベントの様子

・ダイハツ工業

ダイハツ工業では、軽商用車「ハイゼットトラック/カーゴ」をベースとした特装車を展開しており、働く現場を支える軽特装車の市場をけん引してきました。「ダンプ/リフト/保冷・冷凍/配送」の全4シリーズからなる13機種17種類の多彩なラインナップを揃えています。また、全ての特装車はベース車の生産から架装部の組み付け、検査に至るまで国内自社グループ工場で一貫して実施しています。これによりベース車同様の安定した品質を実現するとともに、ユーザーへの納期の見える化を可能としています。

豊富なバリエーションを誇るハイゼット特装車シリーズ

本田技研工業

本田技研工業の働くクルマでは、二輪車「スーパーカブ」が有名です。1958年の発売以来、世界累計で1億台以上販売しています。同社では現在、ビジネス用途向けとして電動バイクに注力しており、「ホンダe:ビジネスバイク」シリーズとして3車種をラインアップしています。第一弾となった「ベンリィe:」は2019年度から日本郵便が導入しています。
また、グループ会社のホンダモビリティランドでは、栃木県茂木町の「モビリティリゾートもてぎ」のゴールデンウィークイベントとして「働くクルマ大集合!!」を2012年から開催しています。10回目となる2022年の同イベントでは、栃木県警察をはじめ地元自治体などと協力して、ホンダに限らずさまざまなメーカーの働くクルマを最大74台展示。10日間の開催で延べ32,000人が来場するなど、働くクルマをじっくり観察できるイベントとして定着しています。

スーパーカブファンサイト
https://www.honda.co.jp/supercub-anniv/hataraku-bike/

日本郵便が導入した「ベンリィe:」

「働くクルマ大集合!!」ではサーキットでのパレードランも実施

・トヨタ自動車

幅広い車種ラインナップを展開するトヨタ自動車。ビジネス用途向けとしては、商用バンからタクシー、マイクロバスなど、多様なニーズに対応できる14車種を用意しています。また、高規格救急車や道路パトロールカーなど官公庁向けの特装車も、グループ会社のトヨタカスタマイズ&デベロップメントが開発・生産を行っており、その歴史は1955年まで遡ることができます。

高規格救急車ハイメディック

トヨタカスタマイズ&デベロップメントの特装車事業
https://www.toyota-cd.co.jp/business/special/

・スズキ

スズキは、軽トラック活用の一環として「軽トラ市」を応援しています。軽トラ市は野菜や加工品など地域の特産品を軽トラックの荷台を活用して販売するイベントです。2005年に岩手県雫石町で開かれたのが始まりで、その後日本全国へと広がり、現在では80カ所以上で開催されています。スズキでは、「東京モーターショー」や「ジャパントラックショー」などさまざまなイベントで軽トラ市の展示を行い、認知を高める活動を進めるほか、スズキ
販売店が地域で開催される軽トラ市を支援するなど、軽トラックを通じた地域活性化に取り組んでいます。

ジャパントラックショー2022での展示

・三菱自動車

三菱自動車は、独自開発の軽商用EV「ミニキャブMiEV」を2011年に発売するなど、10年以上にわたり商用EVの普及に注力しています。ミニキャブMiEVは日本郵便にも納入しており、街中で頻繁に見かけるEVの1台といえます。現在は一般販売を中断していますが、企業活動や物流業界のカーボンニュートラル支援に向けて、販売再開を目指しています。

日本郵便に納入するミニキャブMiEV

・いすゞ自動車

いすゞ自動車では、働くクルマをわかりやすく解説するウェブページ「はたらく車大活躍」を公開しています。同ページでは「いのちを支える」「くらしに役立つ」「工事で活躍」「ものを運ぶ」「ひとを運ぶ」の5つのカテゴリーに分類。さらに車両の用途ごとに59種類もの動画を用意するこだわりで、役割や特徴を丁寧に解説しています。

いのちを支えるレスキュー車

・三菱ふそうトラック・バス

三菱ふそうトラック・バスは、他社に先んじて2017年に小型EVトラック「e Canter」を発売しています。また、2020年には次世代型商用車のコンセプトモデルとしてeキャンターをベースにした自動追従型の塵芥車「e CanterSensorCollect」を発表。LiDARや超音波センサーを搭載した車両が、収集作業者を自動追跡することで人員削減と作業効率を高めることを目的に開発しました。また、2022年内にはe Canterの次世代モデルを発表する予定で、働くクルマの電動化を加速させていきます。

作業者を自動で追従するe CanterSensorCollect