多様な人財こそ財産!自動車メーカーのダイバーシティ&インクルージョン

自動車メーカーでは「ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包摂性)」を重要な経営戦略として推進しています。性別、年齢、国籍、障がいの有無などに関わらず、その人の個性や能力に応じて活躍できる場を与えるという考え方で、それぞれが違いを認め合うことで、誰もが働きやすい職場環境をつくろうというものです。3月 8日の「国際女性デー」に合わせ、各社の取り組みを紹介します。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、多様な人財がいきいきと働ける職場づくりに向け、女性管理職数を2025年に14年の4倍、30年に5倍とするほか、在宅勤務・テレワークの利用者数を25年に全社員(生産職を除く時間管理対象者)の50%以上とする目標を掲げています。配偶者の転勤などで退職する社員のキャリア・カムバック(再雇用)制度や、男性社員向けに妻の出産休暇に合わせた休暇取得など、仕事と生活を両立するワークライフバランスの実践体制を整えています。また、障がい者やLGBTQ(性的少数者)の相談窓口の設置や社内研修を行うなど、誰もが働きやすい環境づくりを重視しています。

日産自動車

日産自動車は、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(多様性、公平、受容)を重要な経営戦略の1つとして推進しています。女性従業員向けには、1人ひとりにあわせたキャリア支援策として、面談や研修、メンタリングプログラム等を実施し、2022年4月時点で管理職に占める女性の割合は10.3%となっています。また、国籍による文化の違い、LGBTQに対する理解促進のための機会も提供すると共に、多様な従業員が最大のパフォーマンスを発揮できるよう、生産工程を除く全従業員を対象とした上限時間なしのリモートワーク制度や、スーパーフレックス制度などを整備しています。

本田技研工業

ホンダは女性管理職数が22年に14年度比で3.2倍を超え、管理職に占める比率は14年の0.5%から1.9%に上昇しました。女性管理職数の目標を20年度比で25年に3倍、30年に4倍に更新し、若い世代の育成に力を入れています。男性育児参画の好事例をホームページで紹介しているほか、LGBTQのアライ(支援者)として基礎知識を習得するEラーニングやセミナーも開催しています。ホンダ独自の人工知能(AI)音声認識システムを活用し、聴覚障がいのある従業員と職場の仲間とのコミュニケーションをサポートする実証をAll Hondaで進めています。

マツダ

マツダでは25年度までに女性管理職数を14年度比で約4倍の80人に引き上げる目標を掲げています。21年度は2.3倍の55人にまで増えました。男性育児休職者数は25年度までに20年度比で約2倍の年80人に増やす方針で、21年度には前年度比約1.5倍の69人が育休制度を利用しました。聴覚障がいのある従業員をサポートする手話通訳士が2人在籍するなど、多様な人財が最大限に能力を発揮できる環境づくりにも取り組んでいます。

SUBARU

SUBARUは25年までに女性管理職数を21年比で2倍以上に増やすことが目標です。22年3月時点で女性管理職数は24人で、管理職に占める比率は2.2%となりました。女性従業員向けの指導・教育プログラム「Women’s Leadership Program(WLP)」を設定し、人材育成を進めています。外国籍の従業員が多い群馬製作所では、英語、ポルトガル語、スペイン語、中国語の通訳が常駐しています。日本人向けの語学研修も実施し、外国人とのコミュニケーション力の向上や異文化への理解促進を図り、社内活性化や人財の安定確保につなげています。

三菱自動車

三菱自動車では、社員が個々の能力を最大限に発揮し、活躍し続けるための「Di@MoND(Diversity @ Mitsubishi Motors New Drive)活動」を推進しています。LGBTQの理解促進セミナーを開催し、受講者にオリジナルの「ALLYステッカー」を配布することで、アライの見える化を推進しています。結婚の定義に同性婚も含め、結婚休暇や育児休業の取得、社宅の利用なども認めています。22年4月時点で役員に占める女性の割合は8.3%(3人)で、女性管理職数は前年同期から14人増え96人です。24年3月までに、管理職候補者層の女性社員比率を15%にすることが目標です。


 
スズキ

スズキは25年に係長以上の女性役職者数を15年度比で3倍にする目標を掲げています。21年度の女性役職者数は15年度の2.6倍の136人となりました。課長以上の女性管理職数 は20人となり、女性管理職比率は1.6%になりました。22年4月からは、男性が育児参加しやすい風土とするため、配偶者の出産時に2日間取得できる従来の「配偶者出産休暇」に加え、出生日から8週間以内に5日間取得できる「出生時育児休暇」を新設しました。

ダイハツ工業

ダイハツ工業は25年3月に、女性管理職数を20年比で2倍に引き上げることや、男性の育児休業取得率を100%にすることを目指しており、企業内保育園の設置や、小学校4年生修了までの子を養育する従業員が短時間勤務を選択できるなど、育児と就労の両立を支援しています。2022年には、配偶者の転勤などを対象としていた「再雇用制度」の適用対象拡大、「不妊治療を理由とした休職制度」の導入など、両立支援の取り組みを進めています。また、多様な社員が働きやすいよう、オフィスや福利厚生施設はユニバーサルデザイン化を推進しています。

いすゞ自動車

いすゞ自動車はボルボ・グループと子会社のUDトラックスとの3社協業で、ソーシャルネットワーク「VOIS」を結成しています。リーダーシップ、コーチング、3社の活動のベストプラクティスの共有機会を提供することでダイバーシティ&インクルージョンに関する意識を向上し、社員のキャリアアップを支援することを目的としています。女性管理職(上級職)の人数を24年3月末までに14年比で2倍以上にする目標も掲げています。

企業が多様な人財を受け入れ、ひとり一人にその能力を十分に発揮してもらうことは、世界中の顧客のあらゆるニーズに応えることにもつながります。自動車メーカーでは、性別、文化、障がいの有無といった個人の違いを認め合い、さまざまなバックグランドを持った人たちが活躍できる組織であり続けられるよう、これからも取り組みを継続していきます。