- 2025/04/23
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広報が選ぶ思い出の一台⑥ トヨタ自動車広報部リレーション室クルマグループ主幹 小金井勝彦氏
JAMAブログを監修する各メーカー広報担当者が、クルマやバイクを好きになった、もしくは自動車業界に進もうと思ったきっかけとなった、あるいは業務で携わった「思い出の1台」をピックアップして熱く語ります。第6回は、トヨタ自動車の小金井勝彦さんです。商品広報部門の主幹として、多種多様なトヨタのラインアップや、商品に込められた作り手の思いを世界に発信しています。小金井さんの思い出の1台は「ハイランダー」。北米をはじめとする海外市場で、3列シートを搭載した大型SUVとしての揺るがぬ地位を確立するクルマです。
―愛車との出会いのきっかけは
「2010年から14年までの5年間、北米に赴任して広報活動の支援に携わっていました。前半の3年はロサンゼルス、後半2年はニューヨークに駐在していたのですが、その最終年に出会ったのが、13年末に全面改良して3代目となったばかりのハイランダーでした。トヨタとしても、従来以上に北米市場を見据えた戦略SUVとして作り込んだモデルだっただけに、心から乗りたいと思ったクルマでした。発売間もない14年春に納車されると、以降は帰国するまで家族の足となって活躍してくれました。」

ネブラスカ州の鉄道ヤードにて
―北米赴任以前からモデルを問わずさまざまなクルマに乗っていたと伺いますが、ハイランダーにはどのような魅力を感じましたか
「ハイパワーエンジンとハイブリッドシステム、四輪駆動システムの組み合わせによる頼もしい走りはもちろんですが、居住性や積載性、乗り心地の良さも特色でした。休暇時の遠出や、平日の近所での買い物など、あらゆる場面で頼もしく、快適なクルマでした。」
―ハイランダーとのいちばんの思い出は
「家族4人でのアメリカ大陸横断の旅です。大陸横断にチャレンジする以前より、当時住んでいたニュージャージーからフロリダ州の先端にあるキーウエストまで約1,400マイル(約2,240km)のドライブも経験していました。さらに、現地での暮らしを通じて、アメリカの国土を駆け抜け、その広大さを自分自身の五感で確かめたいという思いが膨らんでおり、それはハイランダーを選んだ理由の一つでもありました。駐在最終年ということもあり、ロサンゼルス時代の同僚や家族ぐるみで親しくしていたご近所さんなど、お世話になった方々に再び会うという目的も後押しとなり、まとまった休暇を機に旅に出たのです。」
―愛車との旅路を振り返って
「1週間ほどの往路の大半を、80号線という東西にのびる州間高速道路に沿って走りました。実際にステアリングを握ると、アメリカの道にもさまざまな景色があると知ることができ、退屈することはほとんどありませんでした。道中で立ち寄ったロッキーマウンテン国立公園など、各地の雄大な自然をバックに収めたハイランダーとの写真の数々も、貴重な思い出の記録です。1日で800マイル近くを走破して辿り着いた宿の予約が取れておらず、慌てて寝所を探すなどのハプニングもありましたが…。とはいえ、長旅でもクルマのトラブルとは無縁で、トヨタ車の強みを改めて実感する機会にもなりました。1週間分の荷物を悠々積むことができ、休憩時には3列シートでくつろげたことなども、移動の快適さに寄与していたのだと思います。ロサンゼルスでの滞在を経て、帰路は車両を陸送し、自分たちは飛行機で移動しましたが、振り返ってみれば休暇を目一杯使って楽しむことができました」
―思い出深い愛車との生活の中、こだわったポイントは
「リース車だったこともあり、カスタマイズなどクルマ側に手を加えることはなかったのですが、リアクウォーターウインドーに貼っていたステッカーがささやかな個性化要素でした。現地のトヨタ車ファンが制作したもので、SNSなどで同好の士が交流するための目印です。給油のタイミングごとにステッカーが映り込んだハイランダーの横顔を撮影してSNSにアップロードすると、みんなから『いいね!』をもらうこともしばしばでしたね。こうしたアメリカでの交流の数々は私たち家族にとってかけがえのないものであり、その時間をともに過ごしたハイランダーもまた、忘れられない一台となっています」
〈思い出の1台〉
2013年に全面改良して登場した3代目「ハイランダー」のハイブリッド仕様車。排気量3.5リットルV型6気筒エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ、システム総出力は280馬力に達する。SUVとしての使いやすさや最大8人が乗車可能な居住性を確保しつつ、モーター式四輪駆動により優れた走破性も実現した。米国や豪州、中国などに展開されたが、2000年に登場した初代は日本国内でも「クルーガー」の車名で販売されていた。
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