2022年モータースポーツ活動計画

自工会広報誌「JAMAGAZINE」3月号よりピックアップ

 一部のカテゴリーではすでにスタートしている2022年のモータースポーツ活動。各メーカーの参戦体制も決定しつつあり、今シーズンも各カテゴリーで熱いバトルが繰り広げられることが期待されます。

トヨタ

  TOYOTA GAZOO Racing(TGR)として、FIA世界耐久選手権(WEC)をはじめ、すでにシーズンが開幕しているFIA世界ラリー選手権(WRC)、国内では全日本スーパーフォーミュラ選手権SUPER GT全日本ラリー選手権などに参戦します。WRCでは今シーズンよりハイブリッドシステムを搭載したGRヤリスRally1で参戦、デビュー戦で総合2位を獲得しました。また、最終戦は日本を舞台としたラリー・ジャパンがカレンダーに組み込まれ、母国での活躍が期待されます。

ハイブリッドとなったGRヤリスRally1

ハイブリッドとなったGRヤリスRally1

ホンダ

  今シーズンから、これまで二輪のレース活動を運営していたホンダ・レーシング(HRC)に四輪レース活動も集約することで体制強化を図ります。主な参戦カテゴリーは、二輪では世界ロードレース選手権(MotoGP)スーパーバイク世界選手権(SBK)全日本ロードレース選手権をはじめモトクロスやトライアルなどの各選手権に参戦します。四輪ではFIAワールド・ツーリングカー・カップ(WTCR)、全日本スーパーフォーミュラ選手権、SUPER GTのほか、北米のホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)を通じてインディカー・シリーズ参戦チームにエンジンを供給します。また、F1ではホンダとしてのワークス活動は終了しましたが、パワーユニット(PU)の技術支援を継続していきます。

HRCが四・二輪を統括

HRCが四・二輪を統括

インディカー・シリーズは北米のHPDがエンジンを供給

インディカー・シリーズは北米のHPDがエンジンを供給

日産

 今シーズンもFIAフォーミュラE世界選手権に参戦します。1月28日の開幕戦では残念ながらポイント圏外となってしまいましたが、すでに2025-2026年の『シーズン12』までの長期継続参戦を表明するなどEVレースに対する日産の本気度がうかがえます。一方、国内ではSUPER GTの参戦体制を発表しています。今シーズンは参戦マシンがGT–RからZに変更となります。GT–Rは2008年シーズンからの14シリーズで通算41回の優勝を飾っており、新型Zの活躍にも注目です。なお、日産のモータースポーツ活動を担うニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)はこの4月に特装車関連会社オーテックジャパンと統合し「日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)」が発足する予定で、レースの技術やノウハウの市販車へのフィードバックが期待されます。

フォーミュラEへの長期参戦を発表

フォーミュラEへの長期参戦を発表

SUPER GTには「Z」で参戦

SUPER GTには「Z」で参戦

スバル

 SUPER GTのGT300クラスに参戦します。参戦13年目となった昨シーズンは念願のシリーズチャンピオンを獲得しており、タイトル保持に向け参戦マシンのBRZに磨きをかけていきます。また、ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの3年ぶりとなる参戦も発表しました。

GT300クラス連覇を狙う

GT300クラス連覇を狙う

カーボンニュートラルの観点からモータースポーツに参戦するメーカー

 マツダは100%バイオ由来の次世代ディーゼル燃料を使用するディーゼルエンジンを使用したマシンで、スーパー耐久シリーズへの参戦を発表しています。トヨタはヤマハ発動機などとともに開発した水素エンジン車によるスーパー耐久シリーズへの継続参戦を行います。また、スバルとともにバイオマス由来の合成燃料を使用するエンジンを搭載したマシンをスーパー耐久シリーズに投入する予定です。

バイオディーゼルでスーパー耐久に参戦

バイオディーゼルでスーパー耐久に参戦

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