- 2023/06/28
- JAMAGAZINE, バイク, 二輪車
バイクの新しい乗り方 レンタルでバイク需要を開拓!
バイクの新しい乗り方としてレンタルの利用が広がっています。レンタカーが一般的な車に比べ、「購入するもの」というイメージが強いバイクですが、ユーザーのすそ野を広げようと、二輪車メーカーが相次いでレンタルサービスに参入しています。若者のほか、中高年層のリターンライダーからも人気を集めており、購入の入り口にもなっています。
ヤマハ発動機は2018年10月、国内二輪車メーカーの中で、いち早くレンタルバイク事業をスタートしました。当初、ヤマハ・モーターサイクル・スポーツ・プラザ(YSP)の24店舗でサービスを開始し、現在は78店舗にまで拡大しています。レンタル車両台数もサービス開始当初の約170台から600台にまで増えています。
YSP 仙台
レンタルサービスを担当するヤマハ発動機販売営業統括部MC営業部バイクレンタル課の塚本祐介課長は、「利用者は20~30歳代が4割超を占め、若年層の方々を中心にご利用いただき、バイクライフの選択肢の1つとして楽しんでいただいています」と話しました。
本田技研工業は「 HondaGO BIKE RENTAL (ホンダゴー・バイク・レンタル)」という名称で20年4月からバイクレンタルを開始しました。主に若年層に、気軽にバイクに乗ってもらう機会を提供することを目的としています。
Honda Dream戸田美女木
Honda Dream 戸田美女木(埼玉県戸田市)では、新車ショールームの隣接地にレンタル専用の建屋を設け、レンタルサービスを運営しています。新車販売と店舗を分けることで、気軽に立ち寄ってもらおうという狙いです。
レンタル用店舗は、早朝からツーリングに出かけるライダーのニーズに応えるため、ショールームよりも早い午前7時から営業を開始しています。待ち時間を心地よく過ごせるカフェスペースも設置しています。
ホンダはバイクのある生活をより身近に感じていただけるよう、バイクレンタルを新たな二輪車の活用方法として提案しています。
カワサキモータースはカワサキプラザを通じ、21年1月からレンタルサービス「カワサキプラザレンタル」を開始しました。最新のカワサキ車を用意することにより、メーカー系レンタルサービスならではの強みをアピールしています。
カワサキプラザ大阪鶴見
レンタルの良さは通常の試乗に比べ、好みのルートで性能や乗り味などをじっくり確認できることです。カワサキプラザ東京等々力の正田隆次郎ゼネラルマネージャーは、「購入前の車両を検討することを目的に借りる人が比較的多い」と話します。
自工会などの二輪車関連団体と自治体、経済産業省が21年にまとめた二輪車産業の成長戦略「二輪車産業政策ロードマップ2030」では、二輪車の利用拡大に向け、レンタルやシェアの成長を掲げています。実際、レンタルバイクの車両数は22年3月末で3875台と前年同期比13.6%増となり、3年連続で増加しました(全国レンタカー協会集計)。気軽にバイクライフを楽しんでもらうための二輪車メーカー各社の取り組みの効果が表れていると言えるでしょう。
バイクは日常の移動手段から趣味までニーズが多様です。レンタルは多様なニーズを汲む手段の一つであるとともに、バイクを所有してみたいと考えるユーザーにとってバイクライフの入口にもなっています。新しい乗り方によって、バイク需要が一層広がることが期待されています。