冬季ドライブ時の注意ポイント

冬本番となり、車の運転にも注意が必要な季節になりました。積雪や凍結路でスタッドレスなどの冬タイヤやチェーンなどの滑り止めを装着することはもちろんですが、自分が気を付けていても事故やノーマルタイヤ装着車に起因する渋滞などが原因で立ち往生してしまうケースが相次いでいます。いざというとき、ドライバーはどう対処したら良いのでしょうか。日本自動車連盟(JAF)の陸延嘉(くが・のぶよし)さんに、お話を伺いました。

JAF関東本部新潟支部の陸延嘉さん

陸さんは、JAF関東本部新潟支部ロードサービス隊新潟基地に所属するロードサービス隊員です。新潟支部で19年間にわたりロードサービスに携わり、現在は基地主任で、プレイングマネージャーとして現場の最前線で活躍しながら、部下の指導や育成を担う役割を果たしています。

新潟県は言わずと知れた日本有数の豪雪地です。温泉やスキー場も多く、県外からも多くの人が訪れます。そんな新潟の冬季に多い車の救援依頼は、タイヤが側溝などに落ちる「落輪」、のり面などに車が落ちてしまう「落ち込み」、そしてバッテリー(蓄電池)トラブルだそうです。

冬季は積雪によって路面が滑りやすくなったり、道路わきが視認しにくくなったりすることで、思いもよらず走行不能になるという救援依頼が増加するそうです。陸さんは、「けがにつながる可能性や、他の走行車両からは認識しづらい危険な場合があるので、JAFを呼んでほしい」と話します。道路をふさぐような形で立ち往生してしまったときは、交通整理が必要な場合もあります。事故を防ぐため、警察にも連絡することを推奨しますとのことです。

JAF関東本部新潟支部で待機するロードサービスカー

冬季は気温が低くなるため、バッテリーには過酷な気候となります。車で移動しようとした際、寒い中でエンジンが始動しないトラブルも起きるそうです。バッテリーは定期的に点検しておきたいものです。

状況にもよりますが、救援を車の中で待つ場合は注意が必要です。後ろから来る車に追突される恐れがあるほか、(ガソリン車、ハイブリッド車とも)エンジンをかけていると、車内で一酸化炭素中毒になる危険があるためです。陸さんは、「車内換気と、マフラー周辺の除雪を必ずしてほしい」と言います。

陸さんは、立ち往生に遭わないための予防策として、まず大事なことは、「そもそも不要不急の外出はできるだけ控えること」と言います。そのためにも、「気象情報や道路規制の情報を基に、余裕のある運転計画を立てること」が必要です。それでも、トラブルに遭ってしまった場合は、迷わずJAFに救援依頼をしてほしいとのことです。

トラブル発生時は迷わずJAFに救援要請を

大雪などによる通行止めや大渋滞にはまってしまうと、長時間、車内で過ごさなければならないこともあります。救援を呼んでも、救援車がなかなか現地に到着できないという状態が想定されます。そのようなときのために、ドライバー自身が備えをしておくことも必要です。陸さんは、「まずは燃料の量に留意して、燃料を満タンにしておくこと。電気自動車ならば、満充電にしておくことが大切」と話します。いつ、どこで、どのような状況になるのかを想定して対策しておくことが必要です。

車内に装備しておくと良いものも教えてもらいました。まずは飲料、さらに、食料、毛布、携帯トイレ、使い捨てカイロ、防寒着、手袋など。また、長靴やスコップも常備しておいた方が良いそうです。スコップは、スタックしてしまったときに雪を掻き出すのに使うほか、マフラー周りの除雪にも便利です。「道路の雪は踏み固められて硬くなってしまうため、金属製のものが適している場合もある」(陸さん)とのことでした。

まとめとして、陸さんは「交通情報などを見て、大雪の日は不要不急の外出を控えることが、自分の身を守ることにつながる。どうしても出かけるときは、事前の準備をして出かけることが大事」と話してくれました。

「大雪の日は不要不急の外出は控えてほしい」と陸さん

ぜひ、陸さんのアドバイスを参考にして、この冬のドライブを安全に楽しんでください。

関連リンク

日本自動車連盟(JAF)

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