ドライブシーズン到来!春に向けたクルマとバイクのメンテナンス

春夏秋冬、いつ出かけてもドライブは楽しいものですが、暖かな気候や色とりどりの花木を楽しめる春のドライブは格別の魅力があります。家族や友人と、あれこれ計画を練っている人も多いことでしょう。出発前に気を配りたいのが、車やバイクのメンテナンスです。行った先で立ち往生したり、思わぬ出費を強いられたりしたら、せっかくの楽しい気分も台無しです。安全にドライブやツーリングを楽しむためのチェックポイントをご紹介します。

まずはタイヤです。普段はあまり気にしない人も多いのですが、アクセルやブレーキ、ハンドル操作は、最終的にタイヤを通じて路面に伝わります。タイヤは乗り心地や燃費を左右しますし、パンクや、「バースト」と呼ばれる破裂を起こしたら、それこそ命に関わる事故につながることもあり得ます。日本自動車連盟(JAF)のレッカー出動理由では、「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」は、ベスト3の常連です。しっかりチェックしましょう。

最初に、「サイドウォール」と呼ぶタイヤ側面や、「トレッド」と呼ぶ路面との接地面に、異物やヒビ割れがないかをよく見ましょう。異物はドライバーなどで取り除いた後、空気が漏れていないかを確認します。心配な場合は、整備工場などでプロに見てもらいましょう。

軍手などを装着し、目視と手触りでタイヤの異常をチェック

タイヤ溝の残りは、「スリップサイン」が出ているかどうかで判断します。サイドウォールにある△マークの延長線上にある溝の奥に、ゴムが盛り上がった部分があります。これがスリップサインで、盛り上がった部分とトレッド面が同じ高さなら、即交換です。スリップサインの目安である残り溝1.6mm以下のタイヤは整備不良扱いで違反となりますし、排水能力が激減し、雨天時のスリップに直結します。早めの交換を心がけましょう。

「スリップサイン」が現れる前にタイヤ交換を

空気圧も大事です。特に最近のエコカーは指定空気圧を高めにして燃費を良くしていることが多く、チェックを怠ると燃費まで悪くなります。少なくとも1カ月に1度、長距離ドライブの際は、出発前にチェックしましょう。指定空気圧は運転席ドア開口部のほか、バイクの場合は、燃料タンクや車体側面に貼られているステッカーで確認できます。今は1万円ほどで売られているバッテリー駆動のハンディ空気入れもおすすめです。

指定空気圧を示すステッカー

バッテリー駆動のハンディ空気入れもおすすめ

次はボンネットを開けてエンジンをチェックしてみましょう。「メカは苦手」と難しく考える必要はありません。取扱説明書には、必ず点検の仕方が載っていますし、「ブレーキ液」「ウォッシャー液」「エンジン冷却水」は、目視で量が分かるよう工夫されています。エンジンオイルは「レベルゲージ」と呼ばれる点検器具を使いますが、説明書通りに行えば、さほど難しくはありません。それよりも、レベルゲージを確実に戻し、点検に使った布切れをエンジンルームに置き忘れないよう注意しましょう。エンジンルームは高温になるため、置き忘れると車両火災につながりかねません。心配な人は、こちらもプロに見てもらいましょう。

冷却水などの量を目視でチェック


エンジンオイルは「レベルゲージ」で量と汚れなどをチェック

バイクの点検も基本的には車と同じですが、アクセルやクラッチワイヤー、チェーン、サスペンションなどの注油も忘れずに行うと、動作がぐっと滑らかになります。注油後は、余分な油を拭き取ることも忘れないようにしましょう。油分がホコリなどを吸着し、車体が汚れてしまいます。

バイクは注油も大切

クルマの場合、最近はほぼ装着されている車内のエアコンフィルターもチェックしてみましょう。必ずしも故障や事故につながるわけではありませんが、外気の排出ガスやホコリを取り除いてくれますし、カビがエアコンダクト内に繁殖することも防いでくれます。

車種や使い方にもよりますが、1年に1回もしくは走行1万kmごとのフィルター交換がおすすめです。多くの車は、フィルター交換を工具なしで行えます。交換用フィルターは、自動車ディーラーや自動車用品店で売られています。

メカの知識がなくても、愛車の周りを1周しながらタイヤを確認したり、走行中に異音や振動がないか、耳を澄ませることも立派なチェックです。必要ならプロの手も借り、楽しく安全なカー&バイクライフを送りましょう。

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一般社団法人 日本自動車タイヤ協会 公式サイト