今年も企業スポーツが熱い!都市対抗野球2024

アマチュア野球の最高峰である都市対抗野球大会が7月19日~30日に東京ドーム(東京都文京区)で開催されます。毎年多くの自動車メーカーが出場しており、今年は、予選が免除される前回優勝チームのトヨタ自動車に加え、SUBARU三菱自動車岡崎が本大会に駒を進めました。昨年に続いて今年も自動車メーカーの熱い戦いに注目です。

企業スポーツの花形である都市対抗野球大会は、毎年7月に開催される夏の風物詩です。全国各都市の地区予選を勝ち抜いた32チームが出場し、日本一を決めます。同じ会社の仲間を応援しようと、東京ドームの観客席に多くの従業員が訪れ、社内の結束を高める機会にもなっています。

自動車業界からも毎年多くのチームが同大会の本戦出場を目指し、地区予選に出ます。自動車メーカーではトヨタ、本田技研工業、三菱自動車工業、スバルに野球部がありますが、さらに今年からは日産自動車子会社の日産自動車九州が15年ぶりに活動を再開したほか、日産自動車本社も2025年から活動を開始する予定です。その中で今年本戦に進むトヨタ、三菱自動車岡崎、スバルの3チームを紹介します。

トヨタの硬式野球部は1947年に創部された老舗チームです。63年に同大会に初出場し、4度目の出場となった89年に初勝利を挙げました。初めて本戦に進んだ2009年にはホンダとの自動車メーカー対決に敗れ、惜しくも優勝を逃しましたが、2016年に悲願の初優勝を挙げました。

連覇を目指す今年は、豊田章男トヨタ自動車会長が前回大会優勝の「ご褒美」として用意した約2週間のアメリカ強化合宿を実施。ドジャースやレンジャーズともオープン戦を実施しました。若手からベテランまで選手層は厚いですが、さらに今年は投手を中心に5人の新人選手も加わりました。19年間にわたり、トヨタで活躍し、今年で引退を表明している佐竹功年投手の勇姿にも注目です。

アメリカでの強化合宿を経て、連覇を狙うトヨタ

2年連続14回目の出場となる三菱自動車岡崎は、1993年に三菱重工自工名古屋から独立して創部されたチームです。98年に同大会に初出場し、2001年には最高成績の準優勝を記録します。04年に活動を一時自粛しましたが、05年には5度目の出場で復活を果たし、以降も出場回数を積み上げてきました。

同大会への出場を決めた2次予選第2代表決定戦では、14安打8得点の猛攻で東邦ガスに勝利。今年は前回大会でベスト8入りをけん引した秋山翔投手に加え、笠井建吾投手の二枚看板で昨年を上回る成績を目指します。ホンダ鈴鹿の畔上翔内野手などを補強選手として招へいし、盤石の布陣で臨みます。

猛打で本戦進出を決め、悲願の優勝を狙う三菱自動車岡崎の野球部

スバルの硬式野球部は1953年に創部されました(当時:富士重工業)。同大会には2年連続29回目の出場となり、1969年と2014年は準優勝、2008年にはベスト4に進出した経歴があります。1回戦には15,000人もの大応援団がかけつけ、「スバルビッグフラッグ」と呼ぶ大きな旗を掲げながら応援するのが名物となっています。

茨城日産と戦った北関東2次予選の第2代表決定戦では、劇的な展開で同大会への出場を決めました。1点リードを許した延長10回裏、満塁のチャンスを作り、小林亮介外野手が四球を選んで同点に。続く4番の外山優希内野手のタイムリーにより劇的な逆転サヨナラ勝ちを決めました。今年の初戦は昨年完封勝ちを収めたJFE西日本。代表決定戦地区予選の勢いそのままに、勝利を目指します。

劇的な逆転サヨナラで本戦進出を決めたスバルの野球部

惜しくも今年は出場できませんでしたが、東京都、鈴鹿市(三重県)、大津町(熊本県)の3事業所に野球部があるホンダも同大会の常連チームです。直近では、2020年にホンダ硬式野球部(当時の本拠地は狭山市)が優勝し、2021年にホンダ熊本硬式野球部(大津町)が準優勝しています。

3チームの中でもっとも歴史が長いのはホンダ硬式野球部です。1960年に本田技術研究所のある埼玉県大和町(現和光市)で25人の部員で創部されました。その後、同大会には37回出場し、うち3回優勝しています。また、ホンダの3チームでは「全開ホンダ」や「ノンストップホンダ」などオリジナルの応援歌が名物の一つです。一体感のある応援パフォーマンスを目当てに同大会や予選に足を運ぶファンも少なくありません。

ホンダ熊本野球部

昨年、社会人野球で大きなトピックスになったのが日産自動車野球部の復活です。日産本社野球部は1959年に創部し、同大会では2度(84年、98年)優勝した実績があるチームですが、2009年より休部していました。しかしその後、従業員や取引先などから復活を望む声も強く、日産本社野球部と日産九州野球部の活動再開を決めました。

クラブチーム「苅田ビクトリーズ」として活動を継続していた九州は、今年から日産九州の野球部として活動を再開しました。残念ながら予選で敗退しましたが、初戦は見事勝利しました。また、日産本社野球部は25年の活動再開に向けて選手採用など準備を進めています。

日産九州の野球部

2024年の都市対抗野球大会は今月19日からの12日間行われます。皆さんも、東京ドームに各社の精鋭たちが繰り広げる熱い戦いを見に行ってみてはいかがでしょう。

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