- 2025/05/07
- JAMAGAZINE, モータースポーツ, レース

フォーミュラE、5月に日本で開催!
電気自動車(EV/BEV)による自動車レース「ABB FIAフォーミュラE世界選手権」が5月17、18の両日、東京の公道を舞台に開催されます。昨年に続き2回目の日本開催となる今シーズンは、東京大会の開催期間が2試合連続に拡大。国際自動車連盟(FIA)公認競技の中で唯一、EVのフォーミュラカー(レース専用車)で競うレースで、日本の自動車メーカーからは日産自動車が7年目の参戦、ヤマハ発動機はLola Carsと共に「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」として今シーズンから参戦しています。
フォーミュラEは2014年に初開催され、今年で11シーズン目を迎えました。20~21年の7シーズン目には、フォーミュラワン(F1)世界選手権、世界ラリー選手権(WRC)等と同格の世界選手権に格上げされています。24~25年シーズンは12月のサンパウロで開幕、モナコやベルリン、上海、ロンドンなどで全16戦が行われ、東京では第8、第9戦として開催されます。

今シーズンからマシンは「Gen3 Evo」に進化
フォーミュラEは、一般道にコースを設定して開かれることが多く、東京では東京ビッグサイト(江東区有明)周辺の道路に専用コースを設置。ビッグサイトを取り囲む1周2.582kmのコースには、3つの直線と18カ所のコーナーがあります。
昨年初開催となった東京会場のチケットは発売後すぐに完売し、2万人の来場者が独特のモーター音と、観客席とコースが近いからこそ感じられるスピード感を楽しみました。排出ガスも大きな音も出ないEVだからこそ、市街地でのレース観戦ができるようになったといえます。

公道での開催がフォーミュラEの特徴の一つ
車両は全チームとも同一形状で、今シーズンからは3世代の進化系となる新型マシン「Gen3 Evo」が導入されています。これまでのGen3をベースとしつつ、パフォーマンスや持続可能性、エネルギー効率で高基準の改良が施されており、特にスタートから時速100kmの加速までには1.86秒しかかかりません。
また、従来の車両は後輪をモーターで駆動する後輪駆動車でしたが、予選や決勝のスタート時、またアタックモードの使用時にのみ四輪駆動化するように変更されました。加えて、今シーズンからは前輪のモーターを発電に使用することができるようになりました。
「アタックモード」と呼ばれる走行では、通常の300kWの最高出力から50kWを追加し350kWで走ることができます。ただし、アタックモードを使用するためにドライバーはレーシングラインを外れたところに設定されるゾーンを通過する必要があります。ドライバーがハードに攻めたい場合、数周にわたってこのモードを使用しています。
今シーズン第3戦から「ダブルヘッダー」形式のレースで導入された、最新鋭のバッテリーと充電技術を使用した「ピットブースト」では、ピットストップ中に1回30秒間、10%(3.85kw)のエネルギーチャージを行うことができ、アタックモードと同様の350kWの出力をブーストすることができるようになりました。アタックモードと合わせ、新導入のピットブーストの使用タイミングがレースのカギを握ることになりそうです。
日本のメーカーでは、日産がシーズン5(2018/2019)からフォーミュラEに参戦しており、昨シーズン(シーズン10)は2大会で優勝を飾りました。東京大会でも予選ではポールポジション、決勝では2位表彰台を獲得。今シーズンもすでに第2戦、第4戦、第6戦で優勝し、 現在はオリバー・ローランド選手がドライバーズランキングで首位、チームランキングでは2位に位置しています。

本年モナコでの第6戦で優勝したオリバー・ローランド選手(日産フォーミュラEチーム)
また今シーズンから参戦となる、ヤマハ発動機が電動パワートレインを供給しているローラ・ヤマハABTフォーミュラEチームは4月の米国・マイアミ大会で2位となり、初の表彰台を飾りました。

本年マイアミ大会で2位表彰台を獲得した「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」
フォーミュラEは、F1、WRCなどとは一線を画すレースとして世界から注目を集めています。世界最速のEVが市街地を舞台に競い合う光景は、サーキットでのエンジン車のレースとはまた違った迫力があります。東京の湾岸で行われるフォーミュラEをぜひ体感してみてはいかがでしょうか。
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