eやんOSAKA実証結果発表! バッテリー交換式電動バイクの優位性示す

電動二輪車普及に向けた実証実験「eやんOSAKA」の成果と大阪での電動二輪車とバッテリーサービス展開について、報道関係者説明会を実施しました。
この会見にはプロジェクト主催者として自工会大阪大学大阪府ローソンに加え、交換式バッテリーの運用・整備に向けてのモデル構築実証事業に採択いただいた経済産業省、実証事業に参加いただいたALSOK大阪支社が来賓として出席。さらにゲストとしてeやんOSAKAのモデルを継承し事業化を目指す新会社Gachaco(ガチャコ)もゲストとして参加しました。

 

バッテリーのみで駆動する電動バイクは、ガソリン車に比べて航続距離や充電時間が普及の課題です。こうした課題の解決策として開発されたバッテリー交換式電動バイクの優位性が今回の実証実験で示されました。

実証実験は、自工会、大阪府、大阪大学、ローソン(2021年より参加)が共同で2020年から約1年半の期間をかけて実施しました。阪大生及び教職員に電動バイクを貸し出し、実証の参加者合計は計130人。バッテリー交換場所はキャンパス内が2カ所、実証に協力したローソンの店舗10カ所とし、利用頻度などを検証しました。

実証実験で使用した「BENLYe:」と「PCXエレクトリック」

参加した130人のうち、過半数以上となる71人がバイクの利用経験がなく、環境に優しい電動車、また新しいモビリティへの関心の高さを示す結果となりました。実施期間中は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不特定多数が利用する公共交通からバイクに切り替えようとする動きもみられ、現在も続いています。

走行実績としては月当たり100~300キロメートルとガソリン車とほぼ変わらない結果となりました。バッテリー交換場所としてはキャンパス内が圧倒的に多く、ローソンでは主要幹線道路沿いの店舗が多く利用されたことが結果から受け取れます。詳細は後述の報告書をご参照ください。

参加者ごとに利用距離や頻度にばらつきがでましたが、交換式のバッテリーは充電ごとにシャッフルされるために利用頻度がある程度平準化されることが分かりました。利用頻度が高い電動バイクのバッテリー劣化を防ぐ点において、バッテリーシェアリングの合理性が証明されたと言えます。

バッテリー交換の手間についても「満足」と答えたのが100人と全体の8割近くを占めており、利便性が高く評価されました。一方、航続距離については「満足」が46%、「不満」が27%、「どちらとも言えない」が28%と電動車ならではの“電欠”を不安視する傾向もみられました。電欠の不安を払拭するためには、交換ステーションの配置密度を上げる必要がありそうです。

バッテリー交換の手間については8割が「満足」

実証結果を発表した記者会見で、自工会副会長兼二輪車委員会委員長の日髙祥博(ヤマハ発動機社長)は「今後の交換式バッテリーを使用する電動二輪車の普及に向けて非常に大きな可能性を感じる結果」と手応えを感じています。

eやんOSAKAの成果をベースに、このプロジェクトのモデルを継承し事業化を目指すため、ホンダヤマハ発動機スズキカワサキモータースの二輪メーカー4社と、ENEOSホールディングスは、電動バイク用交換式バッテリーのシェアリングサービスとインフラ整備を手がける新会社「Gachaco(ガチャコ)」を4月に設立しました。今回の実証実験で得た知見は、5社による新たなシェアリングサービスに生かされる方針です。


記者会見アーカイブ

冒頭、自工会副会長兼二輪車委員会委員長の日髙祥博は、以下の通り挨拶しました。

まずはじめに、本日の成果報告にあたり、eやんOSAKA実証実験の取組へ、地元行政としてサポート頂いた大阪府様、場所の提供や学生の利用者をご紹介頂いた大阪大学様、ステーションを設置させて頂いたローソン様に改めてお礼を申し上げます。またこのコラボレーション実現にひとかたならぬご尽力を頂いた経済産業省 製造産業局 自動車課様にも合わせて感謝申し上げます。

この実証では延べ130人もの利用者の方々に参加頂くことができました。 その中で、バッテリー交換サービスに満足を感じて頂いたユーザーの方は79.5%を超え、また今回の実証を機に初めて二輪車に乗ったというユーザーの方も54.6%と、今後の交換式バッテリーを使用する電動二輪車の普及に向けて非常に大きな可能性を感じる結果となっています。実際のお客様の声を見てみますと、今回の実証で行った交換式バッテリーサービスは、手軽さ、充電時間からの解放、電欠不安の解消といった一般的な電動車の弱点克服が評価され、街中でのバッテリー交換の有用性が実証されたといえるコメントをいただいております。

日本自動車工業会、そして二輪車業界では今、2050年のカーボンニュートラルを目指して様々な取り組みや活動を、関係する多くの方々と一緒に推進しています。二輪車の電動化普及はその一つの手段として期待されています。そして、今回の実証結果からも、交換式バッテリーの普及は、電動二輪車の普及を後押ししうる手段であることが見えてきたと言えます。今回の実証を通して見えてきたこの可能性を現実のものへとしていくためには、まだまだ沢山の取り組みや改善、そして進化を続けていく必要があるのも事実です。

今年4月に、日本自動車工業会に参加している二輪メーカー4社は、他業種であるENEOSとともにGachacoという会社を設立し、日本での本格的な交換式バッテリーの事業化と普及に向けて、力強く一歩を踏み出しました。バッテリーを共用して使用していく交換式バッテリーの事業は、サステナビリティの視点でも、資源の最適利活用や、サーキュラーエコノミー、いわゆる循環型経済につながる非常に意義のある取り組みであると考えています。この新しい会社Gachacoは、今後、経済産業省の補助事業のスキームを活用しながら実証事業として、今年の秋にはサービスを開始する予定となっています。

この eやんOSAKAをスタートとして動き始めた電動二輪車普及の輪が新たにENEOSとの繋がりへと波及をし、そしてGachacoという新会社での取り組みに結実したともいえる状況です。今後はこの電動二輪車普及の輪が、更に大きく広がり、カーボンニュートラルを目指す様々な企業、団体、ユーザーに繋がっていき、より大きな動きへと成長していくことを大きく期待しています。

私たち日本自動車工業会でも、この大きな動きへの成長に向けた活動の一つとして、先日、欧州での二輪車のスワップバッテリーのコンソーシアムに正式に参加させていただくことを決定いたしました。業界全体の活性化に向けて、日本国内はもちろんのこと、交換式バッテリー規格の国際標準化に向けても、より一層、活動を推進してまいります。

最後にこのような電動二輪車普及への種を蒔き、育てて頂いた、本実証のユーザーを始めとする大阪の皆様に日本自動車工業会を代表して感謝を述べさせていただきます。

実証実験の詳細な成果については自工会および大阪大学よりそれぞれ報告がありました。

自工会 二輪車委員会 電動二輪車普及部会長 長田展英

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大阪大学大学院 工学研究科 地球総合工学専攻 社会基盤工学コース 葉健人 助教 

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さらに、Gachacoの会社概要と事業展開について紹介がありました。

株式会社Gachaco 渡辺一成CEO

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