自工会、学生向けオンラインイベント「Drive for the Future ―モビリティ業界 Special Talk ―」を開催

自工会はモビリティ業界の魅力を大学生・大学院生に知ってもらうオンラインイベント「モビリティ業界 Special Talk 〜先輩の半生に触れ、新たな選択肢のヒントに出会う〜」を7月8日に開催しました。自動車メーカーで働く社員の体験談を聞くことで、モビリティ業界で働くことをイメージし、将来の選択肢を広げてもらうことが狙いです。自工会会員メーカー13社の社員が集まり、入社のきっかけやこれまでに関わった商品、育児とキャリアの両立などをテーマに語りました。

和やかな雰囲気の中で行われたイベント

「若手社員を徹底解明。あの会社で何してる?」をテーマにした最初のセッションには、いすゞ自動車の永田詩織さん(2年目)、SUBARUの渡邉恵理さん(3年目)、ダイハツ工業の神谷美沙紀さん(5年目)、日野自動車の立花真知子さん(5年目)、マツダの佐々木理沙子さん(4年目)が登場しました。普段の職場風景の写真とともに、仕事内容や職場の雰囲気などを紹介し、モビリティ業界に興味を持ったいきさつなども語りました。

職場の写真を見せながら仕事内容を説明

ダイハツの神谷さんは、大学時代のゼミでの海外視察が入社のきっかけだったそうです。タイの企業視察で自動車メーカーの工場も見学し、「工場内のスローガンが日本語で、日本のものづくりが海外にも広がっていることに感動して関心を持ちました」と話しました。

日野の立花さんは「大学時代の勉強を生かせているか」という質問に対し、「大学時代は無機材料の研究をしていましたが、今の仕事は全く違う分野です。車も詳しくありませんが、会社がきちんとフォローアップする態勢ができています」とサポートが充実している様子を紹介しました。学生時代に制御工学を学んだというマツダの佐々木さんは、「学生時代の知識を使えると思っていましたが、太刀打ちできません(笑)。今は学会や大学の教授の研究などを見たり聞いたりして最新の技術を学んでいます」と話しました。

2番目のセッション「先輩の記録。あの〇〇私が担当しました」では、カワサキモータースの森衣緒理さん(7年目)、スズキの林佳奈さん(8年目)、トヨタ自動車の長尾芽衣さん(14年目)、ヤマハ発動機の大島かほりさん(9年目)が、自身が担当した商品の紹介や、開発裏話を披露しました。

自身が携わった製品などを紹介

カワサキで商品企画を担当する森さんは「意見をまとめることが難しい。私は各担当者に頼む立場。現場の方が一番苦労してくださっています」と商品を市場に出すまでの苦労を話しました。

自動車メーカーで働く醍醐味の一つは、担当した車が世に出て、実際に走っているところを見られることです。スピードメーターなどを設計するスズキの林さんは「全国いろいろなところに行ったとき、関わった車を見るとうれしい」と、新興国戦略車「IMV」を担当したトヨタの長尾さんは「海外でユーザーを見かけて話を聞きました。『この車、大好きなんだよ』と言ってもらえて感動しました」と、仕事のやりがいを感じた瞬間をそれぞれ語りました。

最後のセッション「先輩たちが明かす。ワークライフバランス秘話」では、日産自動車の松山鮎華さん(17年目)、本田技研工業の野坂泉さん(17年目)、三菱自動車工業の黒畑あゆみさん(16年目)、UDトラックスの池田笑さん(15年目)が登場しました。全員が2児の母です。これまでのキャリアの振り返り、「育児との両立が難しく、もどかしい思いをした」(日産・松山さん)、「仕事も子育ても頑張りたいという思いがあった」(UD・池田さん)と、抱えていた悩みを打ち明けました。

仕事とキャリアの両立などを語る先輩社員

育児とキャリアを両立できるよう、自動車メーカーでは年々、福利厚生を充実させています。松山さんは、政府主導の企業向け支援「こども家庭庁ベビーシッター券」、野坂さんは学童や保育園などの延長料金などを会社が9割負担してくれる「育児費用補助制度」、黒畑さんは配偶者の異動に合わせ休業できる「帯同休業」といった制度を利用したそうです。

育休や時短勤務に対する会社の雰囲気について、野坂さんは「制度は最大限に使っていこうという環境がある。私自身、育児経験者として社内のパパ・ママに制度を紹介して広めています」と話しました。池田さんは「業界で子育て世代が交流する機会があればうれしい」と提案しました。

自動車業界が環境変化や社会的責任といった課題を乗り越え、未来をつくっていくためには多様な人財が必要です。自工会は今後もこうしたイベントを通して、モビリティ業界の魅力を発信し、共に働く仲間を増やしていきたいと考えています。

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