「バステクin 首都圏」がさいたま市で開催 安全・快適性をアピール

バスに関する最新技術を展示する「バステクin首都圏」(ぽると出版主催、国土交通省関東運輸局後援)が12月1日にさいたま市営桜木駐車場(さいたま市大宮区)で開催されました。国内外のバスメーカーのほか、バスの機器・用品・システムの企業も出展するこのイベント。バス事業者や大型車メーカーといった業界関係者を中心に、多くの人が会場を訪れました。

バステクin首都圏は、バス専門誌「バスラマインターナショナル」を発行する「ぽると出版」が主催しています。関西地区では「バステクフォーラム」の名称で開催しており、2015年から首都圏でも開催するようになりました。今年も国内外メーカーの数々が出展し、日本からも、いすゞ自動車三菱ふそうトラック・バス、そして、いすゞと日野自動車が共同出資するバス製造会社のジェイ・バスが出展し、安全性や快適性をアピールしました。

いすゞが出展したのは、中型路線バス「エルガミオ」です。エルガミオは、2022年12月に一部改良し、標準搭載のドライバー異常時対応システム(EDSS)に自動検知機能を追加しました。わき見や居眠りを検知した場合、運転席シートのバイブレーターを作動させることで、ドライバーに警報を発し、注意を促します。また、バス車内の換気性能を向上する「エアアウトレットグリル」も装備しました。新型コロナウイルスの感染拡大以降、感染症対策の観点から、車室内の換気性能に対するニーズが高まっており、一部座席の足元に設けることで、車内外からの排気・吸気能力の向上を図りました。

いすゞの中型路線バス「エルガミオ」

エルガミオにはドライバー異常時対応システムを搭載

三菱ふそうは、大型観光バス「エアロエース」と小型バス「ローザ」を展示しました。車両展示に加え、子会社の三菱ふそうバス製造が手がけるボディプリントを紹介しました。車体に画像データを直接印刷するもので、同社によると、フィルムラッピングに比べ、コストを半減以下に抑えられるといいます。バスだけでなく、乗用車やトラックにも印刷することが可能で、新規事業として売り上げの拡大を目指しています。またローザは、観光仕様車を展示しました。外国人観光客の需要などにも対応できるよう、荷室を広く確保しています。

ボディプリントを施した三菱ふそう「エアロエース」

観光バス仕様の三菱ふそう「ローザ」

ジェイ・バスは、降車確認支援システムなどを取り付けた「ファン!バス」を出展しました。子ども置き去りによる事故が社会問題となっており、23年4月からは送迎バスへの幼児置き去り防止装置の設置が義務化されています。ジェイ・バスは、降車確認支援システムを搭載した車両の展示を通じ、社会問題の解決に寄与します。また、開発中の車室内モニターも公開しました。カメラを4カ所に設置し、ドライバーがカメラで車内全体を確認できるようにします。現在は、ミラーで車室内を確認していますが、カメラにすることで、運転手の視線移動を最小限に抑えることができます。ミラー越しに乗客と視線が合うことによるトラブルを回避できるというメリットもあるといいます。

ジェイ・バスの「ファン!バス」

ジェイ・バスの車室内モニター

地域の足を支え、身近なモビリティの一つでもあるバスは、乗用車と同様、技術によって安全性や快適性が年々進化しています。バスに乗車するときは、最新技術がどのように使われているのかに注目してみてはいかがでしょうか。

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