#二輪車 委員会 メディアミーティング

積極的な情報発信で二輪車委員会の活動の正しい理解と浸透へ

自工会広報誌「JAMAGAZINE」10月号よりピックアップ

日本自動車工業会は、二輪車部門でも2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた取り組みを進めています。二輪車委員会(委員長日髙祥博)は二輪車のCNに関する情報発信の一環として、10 月に二輪専門誌を対象にメディアミーティングをオンラインで開催しました。「カーボンニュートラル(CN)に向けた二輪車対応」をテーマに、二輪車委員会の取り組みの方向性を説明したほか、意見交換も行いました。その結果、CNに対する二輪メディアの考え方と価値観が共通していることを確認するなど有意義な機会となりました。

政府や自治体と連携し、 二輪車でもカーボンニュートラルできることから着実に推進していく
二輪車委員会 委員長 日髙 祥博

二輪車委員会 委員長 日髙 祥博

二輪車は、安価・軽量・小型という市場要求がある一方、大量のバッテリー搭載が難しい構造上の制約がある電動化のハードルが高い商品です。このため自工会では二輪車のCNとして、通勤や通学、業務用などの原付領域は交換式バッテリーの標準化を進め、レジャー用途の小型・大型二輪車は電動化以外にもハイブリッドや水素、CN燃料などの技術開発を個社で対応する方針を打ち出しています。

10月1日に二輪車専門の13社・21媒体から26人が参加して開催したメディアミーティングでも、日髙は「CNに向けて全力で取り組みますが、全ての二輪車を電動化する訳ではありません」と説明し、アプローチは一つではないことを強調しました。同時に環境優位性が高い二輪車への新たな環境規制導入はコスト上昇につながるため、「政府や自治体と連携し、できることから着実に推進していく」と考え方を述べました。すでに自工会では関係省庁に対し、二輪車のインフラ整備や電動化免除の特例措置などを要望しており、今後はこれらの進ちょくを注視し、必要な対応を図る方針です。

バッテリー交換の利便性検証や電動二輪車普及の課題を洗い出す
電動二輪車普及部会 部会長 長田 展英

電動二輪車普及部会 部会長 長田 展英

また、電動二輪車普及部会の部会長長田展英は、原付領域での交換式バッテリー標準化の取り組み事例として、「eやんOSAKA」実証実験の中間報告を行いました。同実験は大阪府と大阪大学、自工会による産官学連携のプロジェクトで、20年9月に開始しました。大阪大学の学生や教職員に電動バイク(原付一種)を日常生活で使用してもらい、バッテリー交換の利便性検証や電動二輪車普及の課題を洗い出すのが目的です。実証実験は9月までの予定を半年間延長し、10月からは原付二種を使用して継続しています。より広い行動範囲のサンプルデータを収集する予定です。

eやんOSAKAで使用する電動バイク「BENLY eⅠ: 」

eやんOSAKAで使用する電動バイク「BENLY eⅠ: 」

 

CNに向けた取り組みを直接発信し、メディアの方々に理解を求める

二輪車普及広報分科会 分科会長 川野 達夫

二輪車普及広報分科会 分科会長 川野 達夫 

今回開催したメディアミーティングは、7月に開設したウェブサイト「MOTOINFO」とともに二輪車委員会が自工会変革の一環として取り組む情報発信改革の一つと位置付けています。初開催に尽力した二輪車普及広報分科会で、中心的な役割を担った分科会長川野達夫に開催の意義や感想を聞きました。

メディアミーティングの目的は

「メディアの方々との意見交換を通して相互理解を深めることです。もちろん認識のギャップがあり、指摘を得た場合は、それを埋めるように自工会活動を見直すことも視野に入れています」

初開催の感想は

「CNに向けた取り組みを直接発信し、メディアの方々に理解を求めることができました。また、メディアミーティングについては今後もぜひ続けてほしいとの声を頂きました。二輪車に対するメディアの皆様と二輪車委員会の方向性や価値観は同じだと感じました。」

開催までの準備期間は約3カ月だったそうですね

「私は広報の経験がなく、自社で広報を担当している分科会メンバーに意見を聞きました。本来分科会は9名体制ですが、限られた時間の中、よりスピーディーに進める必要があり、タスクフォースを立ち上げて対応してきました」

分科会長として、どのようなことを意識しましたか

「当初はみなさんのイメージが違ったため、それぞれの意見をまとめるように心がけました。メディアミーティングの方向性や目的、運営方法について議論を進めながら、最終的に一本にした感じです」

次回以降の開催時期は

「21年度は12月頃と来年3月頃に予定しています。今回、参加いただいたメディアの皆様から新たなテーマの提案もありました。さまざまな意見やアイデアをいただき、さらにこの活動を加速したいと考えています」

ご参考

 

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