- 2024/10/01
- JAMAGAZINE, モータースポーツ, ラリー
WRC最終戦 ラリージャパンは11月21~24日に開催
今年も、世界ラリー選手権(WRC)の最終戦「フォーラムエイト・ラリージャパン」が11月21~24日の4日間、岐阜県と愛知県で行われます。WRCは公道を市販車ベースのマシンで走り、タイムを競う競技です。世界各地で開かれる13のラリーがシリーズ化されたことがはじまりで、地域によってはフォーミュラワン(F1)にも劣らない、人気の高い競技になっています。
ラリージャパン2024を主催するのは、昨年に引き続き、豊田市とトヨタ・モータースポーツ・クラブ、特定非営利活動法人M.O.S.C.O.の3者。自治体が主催者になるのは珍しいケースで、豊田市は地域の活性化や産業振興につなげたい考えです。
また今回は、今年元日に発生した能登半島地震で被災された方への応援企画として、開催期間中に石川県在住の方を最大1,000人招待します。被災地の方々は非常に厳しい環境での生活を余儀なくされており、モータースポーツで元気づけ、復旧・復興に向けた機運を高めたいとの思いがあります。
WRCの24年シーズンは、モンテカルロ(1月24~28日)からスタートし、スウェーデン(2月15~18日)、ケニア(3月28~31日)、クロアチア(4月18~21日)、ポルトガル(5月9~12日)、伊サルデーニャ島(5月30~6月2日)、ポーランド(6月27~30日)、ラトビア(7月18~21日)、フィンランド(8月1~4日)、ギリシャ(9月5~8日)まで終えており、残るは、チリ(9月26~29日)、ドイツ・チェコ・オーストリアを横断する「セントラル・ヨーロピアン・ラリー」(10月17~20日)、そして最終戦のラリージャパンです。
参加台数の上限は60台で、参加車両は各クラスやグループに割り振られます。唯一日本からワークスとしてWRCに出場するのはトヨタ自動車です。かつては日産自動車や三菱自動車、SUBARU、マツダ、ダイハツ工業、スズキも参戦し、日本メーカーがラリーを盛り上げていた時代がありました。しかし、思うような結果を残せなかったほか、バブル崩壊・リーマンショックといった景気悪化などを受け、次々とWRC参戦から手を引いてしまうこととなりました。
ラリージャパン2024の出場チームは、「TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team」「HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team」「M-SPORT FORD World Rally Team」。トヨタがWRCに出場したのは、WRCが創設された1973年です。プライベーターを支援する形で出場し、その後、ワークスとして参戦しています。
レース活動に積極的に取り組む同社が、WRCに挑む大きな理由は「良いクルマづくり」のため。WRCは、サーキットではなく一般ユーザーが普段走行する公道がコースとなっています。市販車をベースとした車両でスピードを競い合うことで技術力が高められ、将来の市販車開発に役立てることができます。
車両は「GRヤリス」をベースとした車両。24年の出場車両は、低回転域でのレスポンスを改善するためにエンジンをアップデートしました。外観はマットブラックがベースで、「速さ」をイメージしたといいます。参戦するイベントごとに車両の装備やセッティングを調整し、最高の走りの実現に近づけていきます。こうした技術力と経験により、前回のラリージャパンでは上位3位までをトヨタが独占。母国、そして地元で開かれた大会に花を添えました。
FIA(国際自動車連盟)はWRCで、「WRC」「WRC2」「WRC3」「Junior WRC」の4カテゴリーを設けており、出場枠はFIAのレギュレーションに基づいた車両がメインとなります。各国ごとのレギュレーションもあります。このレギュレーションは環境対応や時代に応じて変化するため、出場するメーカーは常にレギュレーションを熟知することが重要です。
またラリージャパンでは、開催国にナショナル・リージョナルカーの参加を認めています。主に車格や排気量で3クラスに分かれていますが、JAF (日本自動車連盟)が承認し、FIA公認の燃料タンクなど「FIAインターナショナルスポーティングコード附則253条」に合致していれば、プライベートチームも参加できるというローカルルールです。2023年は、プライベーターが多く出走する中、SUBARU「WRX S4」なども良い走りを見せたほか、最も小さい「JRCar3」クラスにはダイハツ「コペン」も出走し健闘しました。
エントリーは9月21日から10月21日まで。過去にも腕自慢のラリーストやチームが参戦しており、他のクラスでは見られない車種でのエントリーがあるかもしれないので注目です。
大会事務局では今回、チャレンジングなスペシャルステージ(SS)を3カ所追加したほか、観戦エリアも15カ所に増設したとのこと。さらに豊田スタジアムの1階席を値下げし、9,000円から購入できる価格設定としました。是非皆さんも現地観戦に出向いてみてはいかがでしょうか。
関連リンク
フォーラムエイト・ラリージャパン