- 2025/09/01
- JAMAGAZINE, 交通安全, 安全, 防災の日

クルマでできる防災!災害に備えよう
9月1日は「防災の日」です。1923年に起きた関東大震災を教訓に、1959年には伊勢湾台風で戦後最大の被害が出たのを受け、地震や豪雨などに対して国民が認識を深め、備えを充実強化するため、政府は1960年、9月1日を防災の日に制定しました。災害の未然防止と被害軽減を狙い、「防災週間」(8月30日から9月5日まで)も設けられています。
ここ最近多発する巨大地震や記録的大雨など大規模災害はいつ、どこで起きるか分かりません。職場や学校にも防災グッズは不可欠ですが、クルマで通勤・業務をしている最中に災害に遭う恐れも十分にあります。
クルマに防災グッズを積んでおくことは安心なカーライフにつながることから、ユーザーには車内にも防災グッズを常に備えておくことをお勧めします。今回は運転中に被災したり、車中泊せざるを得ない状況になったりした場合を想定し、クルマに積んでおくべき「防災グッズ」を紹介します。
冬場の記録的大雪では、道路の雪にタイヤがはまって空転する「スタック」が原因となり、クルマの立ち往生が相次ぎました。2018年に福井県の国道で1500台が立ち往生、解消までに60時間以上かかったほか、2021年にも北陸自動車道で大型車が身動きが取れなくなることで大規模トラブルが起きています。
冬場は防寒具が必需品で、羽織るだけで保温・防風・防水効果があり、価格も安いアルミシートは車載に適しており、使い捨てカイロも重宝します。一方、夏場は酷暑が毎年続いており、車内が一段と高温になるため、非常食としてアメやチョコレートなど熱で溶けてしまうものは避けた方がよく、ビスケットなどが推奨されています。
こうした被災時に長時間車内で過ごさざるを得ない場合、空腹・脱水症状・寒さ・トイレなどの緊急課題に直面します。もしもの時でも耐えしのげるように、車内でもしっかりとした防災対策が必要です。
内閣府(防災)などによると、防災グッズをひとつにまとめて入れるリュックを用意し、保存水、マスク、クッキー、 軍手、パーソナルメモ、簡易救急セット、ブランケットなどを入れておくと役立ちます。
用品セットは家族ですと、1人1セットが安心といわれており、家族構成に合わせて備えましょう。非常時には飲料、食料ともに「最低3日分×家族人数分」が必要とされます。缶詰、ゼリー飲料、缶入りパンなど、災害直後でも開けるだけで食べられるもの、長期保存ができるものが国や自治体から提案されています。家族によっては乳児用ミルク、ペット用フードも用意しておくとさらに安心です。
災害時はトイレが長く使えない事態も十分考えられます。道路の渋滞時にも使用できるため、小さな簡易トイレ、携帯用トイレはクルマに常備しておきましょう。トイレットペーパー・ティッシュペーパーも用意しておけば万全です。
大災害で甚大な被害が発生する事態を受け、「車載用防災セット」を販売している自動車メーカーも目立ちます。例えば、スバルの防災セットは非常用の発光スティックやホイッスル、応急処置用の簡易キットなど、必要最低限のアイテムがまとめられており、災害時やクルマのトラブル時に迅速に対応できるよう設計されています。ただ、防災グッズを載せる車内のスペースが限られている点も踏まえ、個々人で重要度が高いものを厳選し、コンパクトに収納することも大きなポイントです。
ここまで標準的な車載用グッズを取り上げ、その対応や使用法などを説明してきました。クルマは身近な乗り物としてプライベート空間を確保でき、重いものでも積み込めるメリットもあります。災害遭遇時には一時的な避難所ではなく、自家用車・社用車を利用した車中泊・避難生活も選択肢のひとつに挙げられます。クルマユーザーの〝災害への備え〟として、日常の安心をサポートするための「必需品」について改めて考え、防災意識を高めましょう。
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