- 2025/09/26
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MotoGP日本グランプリ開幕 シーズン後半、もてぎで熱戦へ
国際モーターサイクリスト連盟(FIM)ロードレース世界選手権「MotoGP」の第17戦「日本グランプリ(GP)」が9月26~28日の3日間、モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)で開催されます。FIMロードレース世界選手権は、1949年にFIMが欧州を中心に開始した二輪ロードレースの世界最高峰です。
2002年に当時の最高峰クラスだった500㏄クラスがMotoGPクラスとなったのを機に、シリーズ全体の名称もMotoGPに変更されました。排気量別にMotoGP(4気筒1000㏄)、Moto2(3気筒765㏄)、Moto3(単気筒250㏄)、MotoE*(電動バイク)の4クラスに分かれます。
* 国際モーターサイクリズム連盟らは9月11日、MotoEを2025年シーズン終了をもって休止すると発表しました。2019年に始まったMotoEは開催7年目で終えることになりました。
2025年はMotoGPクラスに13チーム22人、Moto2クラスに16チーム28人、Moto3クラスに13チーム25人、MotoEクラスに11チーム18人のチーム・ライダーがエントリーしています。
2025年は2月28日~3月2日のタイGPを皮切りに、11月14~16日のバレンシアGPまで全22戦が開かれます。全22戦は過去最多のレース数です。各レースで獲得したポイントを加算し、年間のチャンピオンが決まります。また、最高峰クラスであるMotoGPは日曜日に行われる決勝レースに加え、2023年からは決勝レースの約半分の周回数で競うスプリントレース(9位までにポイントが付与)も土曜日に開催しています。
MotoGPは世界の二輪メーカーが威信をかけて競うレース。過去にはスズキ、カワサキモータースも参戦していました。今年は日本メーカーからはMotoGP/Moto2クラスに本田技研工業とヤマハ発動機が、Moto3クラスにホンダが参戦しています。
MotoGPクラスに参戦するチームはホンダがHonda HRC Castrol(ライダー:ルカ・マリーニ、ジョアン・ミル)、CASTROL Honda LCR(同:ヨハン・ザルコ)、IDEMITSU Honda LCR(同:ソムキアット・チャントラ)、ヤマハ発動機がMonster Energy Yamaha MotoGP(同:ファビオ・クアルタラロ、アレックス・リンス)とPrima Pramac Yamaha MotoGP(同:ジャック・ミラー、ミゲール・オリベイラ)です。
また、日本人ライダーはMotoGPに小掠藍選手、Moto2に佐々木歩夢、國井勇輝選手、Moto3に山中琉聖、古里太陽選手が参戦しています。
かつて日本メーカーは、現MotoGPクラスにあたる最高峰クラスで1975~2006年まで32年連続、08~21年まで14年連続で世界チャンピオンを輩出してきましたが、近年はやや苦戦傾向にあります。
しかし、25年は6月11日に行われた第6戦フランスGPでCASTROL Honda LCRのヨハン・ザルコ選手が優勝。ホンダとしては、23年第3戦アメリカGPでのアレックス・リンス選手(LCR Honda CASTROL)以来の優勝となりました。ザルコ選手は第7戦のイギリスGPでも2位表彰台を獲得しています。
一方、ヤマハ発動機は21年の世界チャンピオンであるMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロ選手が第5戦スペインGP、第6戦フランスGP、第7戦イギリスGP、第10戦オランダGPでポールポジションを獲得、スペインGPでは2位表彰台に上がりました。25年は、近年苦戦傾向にあった日本メーカーに復調の兆しがみられます。
モビリティリゾートもてぎを舞台としたMotoGPは、1999年から開催されています。2000~2003年には日本GPを鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で、モビリティリゾートもてぎ(当時ツインリンクもてぎ)はパシフィックGPとして、MotoGPが日本で年2回開催されていたこともあります。モビリティリゾートもてぎが日本GPの舞台となったのは2004年からです。それ以来、日本で唯一MotoGPが開催されるサーキットとなっています。
MotoGPが開催されるサーキットの中には、最高速度が350キロに達するハイスピードサーキットもあります。モビリティリゾートもてぎはストップアンドゴーのレイアウトが特徴で、ハイスピードというよりもテクニカルでブレーキに厳しいサーキットです。時計回りの全長4.8㎞のコースには14のコーナー(右8、左6)があり、高低差は30.4メートル。最大762メートルのストレートでは最高速度が300キロを超え、そこから数秒間で一気に減速しコーナーを曲がっていく姿には迫力があります。
日本メーカーの日本GPの最高峰クラスでの優勝は、19年のマルク・マルケス選手(Repsol Honda)を最後に遠ざかっていますが(20、21年は新型コロナの影響で中止)、過去には11~16年に6年連続で勝者を生み出すなど、決して苦手なサーキットではありません。復調ムードがみられる今シーズン、母国グランプリとなる日本メーカーの活躍が期待されます。
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