自動車メーカートップが「モビリティ愛」を語る

思い出の一台から未来のマシンまで、クルマやバイクはもちろん、あらゆる乗り物の可能性を体感できる、ジャパンモビリティショー2025(10/30-11/9、東京ビッグサイト)がついに開幕。開幕初日10月30日には、未来モビリティ会議の特別セッションが開催されました。

本イベントは冒頭、自工会会長の片山正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)より開幕宣言が行われた他、自工会正副会長7名が「愛車」とともに登壇し、「トップが語る『モビリティ愛』とは!」と題し、モビリティにかける想いを語るクロストークが展開されました。

特別セッションアーカイブ

■自工会会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)

自工会会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)

先ほど、オープニングセレモニーにて、瑶子女王殿下のご臨席たまわり、無事Japan Mobility Show2025を開幕いたしました。今年のJapan Mobility Showは、11ヶ国1地域、42の海外企業・団体さまにもご参加いただき、過去最多の500社を超える国内外の皆さまにご参加をいただくことができました。大変嬉しい状況でございます。ただし、多くの企業が一堂に会するだけが目的ではありません。兼ねてから申し上げております通り、皆さまと共に未来のモビリティ社会を創り上げていく「共創の場」であると位置づけております。多様な企業の皆さま同士が繋がり、未来を創造する歩みを始めていただけるよう、我々主催者として全力でサポートをしていきたいと思っております。

Japan Mobility Showの前進である東京モーターショーは、70年の歴史を誇り、日本を代表する自動車の祭典として愛されてきました。この伝統を引き継ぎ、自動車からモビリティへ、さらに裾野を広げ、日本中を巻き込みながら明るい未来を創るきっかけを生み出したい。そんな想いで、2023年にJapan Mobility Showとして生まれ変わる決断をいたしました。これからは、各社各さまの製品や技術、アイデアにフィーチャーするだけではなく、その多様なもの同士が繋がり、”一緒に”、楽しみながら未来を創っていく姿を目指しております。そのため、参加される企業の皆さまだけでなく、ご来場の皆さまも巻き込みながら、一緒に未来を思い描き、探していく、そんなショーにしていきたいと思っております。

モビリティは、単なる移動手段ではありません。人々の心を震わせ、暮らしの記憶や価値観さえも形づくってきました。今回のショーでは、これまでのレガシーにも着目し、過去、現在、未来とを行き来しながら、「モビリティによってもたらされる明るい未来」を体感していただけるように、3本の柱として準備をいたしました。

一つ目は、モビリティそのものの魅力を、じっくりと体感いただける「Mobility Culture Program」です。屋内外3つのエリアで展開され、歴史を刻んだ名車の存在感、エンジンの鼓動、そしてクルマやバイクを愛する人々の情熱が交差します。世代を超え、懐かしさと新しさを共有いただけるはずです。

二つ目は、新しい未来を創造する、次世代を担うスタートアップ企業と一緒に織りなす「Startup Future Factory」です。企業の大小や歴史ではなく、情熱とアイデアで未来を創り上げているスタートアップは、まさにこれからのモビリティ産業のキープレイヤーであり、ビジネル共創を押し進めていただける新たな仲間だと考えております。このステージのすぐ近くに、100社を超える仲間が集まっていますので、必ず足をお運びいただきたいと思います。

三つ目は、未来では当たり前になっているモビリティやサービス、またそれが生活にどのように浸透しているかを、ツアー形式で体感いただける「Tokyo Future Tour 2035」です。タイトルの通り、今回は10年後の2035年に焦点を当てています。漠然とした未来ではなく、多くの方が自分ごととして認識でき、関わっていける未来を表現いたします。これは、178社の企業横断で作られている、本ショーならではのプログラムで、我々の合言葉「未来はみんなで創るもの」をまさに体現しているものです。

私たちは、これまでモビリティによって、非常に多くのワクワクや感情、価値観を享受してきました。それは未来でも同じであって欲しいと願っています。自動車業界を代表する立場として、さらなる共創とワクワクを生み出し、「豊かで夢のある未来へと繋げていくこと」それが我々の役割であり、責任だと自負しております。私もこれまで以上にモビリティに愛を持って接し、一人でも多くの方にモビリティを愛してくださるよう、尽力してまいります。

本日より開幕したJapan Mobility Show 2025は、誰もがワクワクできるショーになっておりますので、是非ご来場をお待ちしております。

第二部のトークセッションでは、正副会長が「愛車」を次のように紹介しました。

■自工会会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)

(右)自工会会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)

「トラック愛」四十数年の片山でございます。(今回の愛車展示で最大である)トラックなんですが、実は普通車で普通免許で乗れます。しかも、ATで非常に小回りが効いて、「誰でもトラック」と言われており、今回、本来「愛車」ということだったんですが、実は私の未来の愛車になる予定です。

トラック業界で四十数年、今まで社会のため、それから皆さんの生活を支えるということで、一生懸命、荷物を運ぶトラックでしたが、リタイアできたら、是非孫と一緒に、孫を運びながら、楽しみを一緒に運んでいくということで、まだ予約もしておりませんが、今日ご紹介させていただきます。Travioといいます。

■副会長 鈴木 俊宏 (スズキ 代表取締役社長)

副会長 鈴木 俊宏 (スズキ 代表取締役社長)

今日持ってきたのは、私が初めて乗った四輪車と二輪車です。初代アルトもマメタンも大学卒業後購入しました。アルトは、隣に女性を載せると肩と肩が触れ合うと。当時は、助手席に手を回して、後ろを見るわけですよ。そうするといいなぁと。

マメタンは、実は弟が大学入った時に通学用に買ったんですよ。それまでバイクに興味なかったんですけど、乗らしてもらって、こんなに風を感じることのできる楽しいのがあるんだと思い、中型免許取るきっかけになったバイクです。本当にワクワクドキドキの体験をした2台です。

■副会長 佐藤 恒治 (トヨタ自動車 代表取締役社長)

副会長 佐藤 恒治 (トヨタ自動車 代表取締役社長)

初代のMR2にしました。1988年のクルマで、前オーナーの方に去年譲っていただいて、1年かけて整備して、やっと今年の夏に乗ることができました。当時はまだエアコンがオプションで、この車には実はエアコンがなくて、今年の夏めちゃめちゃ暑かったんですが、どうしても乗りたくて、エアコンなしで乗ったら、人間が先にオーバーヒートしてしまいました。

日本初の量産型のミッドシップで、良い車ですよ。やっぱり手のかかる具合が、さらに愛しくなるというのはありますね。

■副会長 イヴァン エスピノーサ (日産自動車 取締役、代表執行役社長兼最高経営責任者)

副会長 イヴァン エスピノーサ (日産自動車 取締役、代表執行役社長兼最高経営責任者)

本日持ってきたクルマは、私が若い時に初めて乗ったワクワクしたクルマ、フェアレディZ(の最新型)です。実はこれ左ハンドルなんです。どうして日本で左ハンドル運転してるんですかと聞かれますが、発売当初、日本で多くの注文をいただいていて、お客様を優先するために、米カリフォルニア州の店舗に、グレーの在庫があるか確認して、現地で買うことにしました。それから通勤時にずっと乗っています。

仕事前、帰宅時、ある意味儀式のように、いつも頭をリフレッシュしています。

■副会長 三部 敏宏 (本田技研工業 取締役 代表執行役社長)

副会長 三部 敏宏 (本田技研工業 取締役 代表執行役社長)

僕はこれまでレジェンドに乗っていて、プレリュードが出たら買おうかなと社内で言ったら、担当者が「このトークセッションに間に合わせるために早く出荷するから、是非を愛車展示を変えてくれ」と言われたんです。2週間ぐらい前に納車されたばかりなので、まだ200kmぐらいしか乗ってません。

社長になってすぐ、NSXも止め、S660も止め、「F1やってるくせにどうもつまらん会社だ」という声をたくさんいただきました。「よし、スポーティー方向のクルマをやろうじゃないか」と作り始めたんですが、その当時は名前すら付いてなかったんですよ。(開発の)中盤ぐらいに、「これなら久しぶりにプレリュードの名前つけても良いんじゃないの?」ということで、25年ぶり6代目になりました。

非常に好評で、1番売れてるのは50代以上です。50歳以上の方は分かると思いますけど、究極の「デートカー」といえば、やっぱりプレリュード。ただ当時やっぱなかなか高くて買えなかった。今回も少し高いと言われてますが、50歳以上の人はみんなお金があるので、たくさん今買ってもらってます。

スポーティー方向で言うと、久しぶりに魂こもってますし、従業員も久しぶりにこの車に注目しています。見た目だけじゃなくて、乗るとびっくり、シビックタイプRとの共通点も多くて、なかなか素晴らしいクルマに出来上がっています。是非皆さん、何か機会があったら一度乗っていただくと、私が言ってることが理解できると思います。

■副会長 設楽 元文 (ヤマハ発動機 代表取締役社長)

副会長 設楽 元文 (ヤマハ発動機 代表取締役社長)

1980年発売のRZ250です。当時、2ストロークブームを搔き立てたモデルです。このモデルを買った理由は、やっぱり斬新なデザインと軽量コンパクトで、「TZ」というレーサーをモチーフにして作ってるモデルなので、相当スポーティーです。

もう1台が今所有してるXSR900というモデルで、これも軽量コンパクトで3気筒エンジンです。2021年の末まで、インドに駐在していて、バイクをなかなか持ってなかったんですが、日本帰ってきて、オーダーをしたら、当社の場合カスタマーファースト(お客様の納期優先)で、自分は1年ぐらい待たされまして、その後、社長になってしまったので、乗る機会がなくて、ほとんど走行距離が伸びていません。早く自由に乗りたいです。

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