赤澤経産大臣、モビショーを視察

11月3日、赤澤亮正経済産業大臣がジャパンモビリティショー2025を訪れ、主催者展示「Tokyo Future Tour 2035」「Startup Future Factory」などを視察されました。視察中、日本自動車会議所の豊田章男会長(トヨタ自動車代表取締役会長)や自工会会長の片山正則(いすゞ自動車代表取締役会長)ら自動車業界との会談も開催され、大臣からは大変革期を迎える自動車産業が、様々な業界との連携により、引き続き日本の基幹産業であり続けることへの期待を表明されました。

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赤澤亮正 経済産業大臣

赤澤亮正 経済産業大臣

先ほど、今回のジャパンモビリティショーの展示をいくつか拝見をしました。車にとどまらない未来におけるモビリティの姿や、自動車産業とスタートアップの協業の可能性を感じることができました。

我が国の基幹産業である自動車産業が、GX、DXという大きな変革の中で、未来を見据えながら、国際競争に勝ち抜くためにチャレンジする姿を、垣間見ることができました。SDVの分野では、内燃機関の時には世界に冠たる我が国の自動車産業が、ほぼ付加価値のすべてを車の価格の中で占めることができたものが、だんだんソフトウェアとかグーグルなどに代表される、Tier1の(企業も)出てきている感じがします。トヨタさんをはじめとして(日本の自動車メーカーも)しっかり戦う気で、準備いただいていると思いますが、私どもその皆さんのご努力を経産省としてしっかり後押しをしていきたいと思っています。

グローバルな電動化の波は一時期言われたほどのペースでは無くなってきてはいますが、着実に進んでいることと、これが逆に嬉しい驚きだったのは、我が国が誇るハイブリッドの底力を世界に示すことになりまして、ペースは遅れつつも着実に進んでいるといったことであります。今回、各社のEVモデルや低炭素車が出展されておりますが、経産省がずっと主導してきましたマルチパスウェイ戦略のもとで、電動化等の技術開発で設備投資への支援、国内EV市場の創出に引き続き取り組んでまいりたいと思っています。

また先ほど申し上げた通り、SDV化が進み、付加価値の源泉がハードからかなりソフトに引っ張られつつあります。自動運転と米中の新興プレイヤー存在感は増す中、官民で連携をしてSDV投資を進め、遅れを取らないようにしたいと思っています。

米国の関税措置については、5兆円超を我々に課されるはずの関税を2兆円超削減の実現をしましたが、しかしながら15%の関税が残っているのは厳然たる事実です。 この影響には適切に対応する必要があります。あともう一つ申し上げるとトランプ大統領(について)は、世界覇権国のリーダーが世界秩序は今のままではダメだ変えると。端的に言うと、政治が経済に口を出さないのはもうダメなんだと、 皆さんからすると、迷惑だと思いますが宣言したわけです。要は自分の顔を思い浮かべずに、世界中の経済主体が経済活動できないように(する)とまでおっしゃっていないんだけど、やってること自体はそういうことです。結局、サプライチェーンを自国できちっと確保できない、そういう経済発展は許さないから、今までは政治が口を出さずに、世界中の経済主体が一番原材料の安いところで原材料を買って、一番人件費の安いところで組み立てて、一番大きな市場に持っていって売れば、それがもう認められて、政治が口を出さずに、やってきたわけですけど、結果それに対して、トランプ大統領はそれじゃダメだと異を唱えておられるんで、政治と協力をして、レアアースなどを含めて、多少値が張ろうと同志国からサプライチェーン確保しておくとかも含めて、今までよりもかなり考えて行動していかないと、官民の力を合わせてしっかり自動車産業を発展させることは難しくなるなという思いがあります。

レアアースや半導体とサプライチェーンの問題が深刻でして、短期的には官民での輸出管理国への働きかけやですね、代替調達先の確保も必要であります。今後必ずしも安価でなくても物資供給の信頼性安定性を良化する需要が創出されることも重要です。どのように品質やコストとも両立すべきかと考えてまいりたいと思います。

最後に、自動車業界はこれまで賃上げや、国内投資と積極的に取り組まれてきたと認識をします。そして私自身、心から敬意を払うのはやはり東南アジアを旅行すると、日本車の走っている数を見た時に、胸がいっぱいになる。やはり私はすごい国に生まれた、日本という国はすごいのだと。それをぜひEV全盛の時代になっても、しっかり維持していただきたいし、その先もリードしてほしいと、強い思いを持っております。これからも、しっかり皆さまと力を合わせて世界を変えていきたいと思います。我が国経済を守り、強い経済を実現するためにも、賃上げや拡大投資を、引き続きリードしていただくことを心から期待をしております。

自工会会長 片山正則(いすゞ自動車代表取締役会長)

自工会会長 片山正則(いすゞ自動車代表取締役会長)

本日はご多忙の中、ジャパンモビリティショー2025にお越しいただきまして誠にありがとうございます。

「ワクワクする未来を、探しに行こう」という今回のショーのキャッチフレーズは、2035年に自動車産業が実現する大きな課題であるGX・DXを、自動車産業だけでなく他産業さらにはスタートアップとの連携、深化を通じて具体化していこうという、私どもが込めた思いを示したものです。是非この思いを感じていただきましたら幸いです。

日米関税交渉につきましては、赤澤大臣の陣頭指揮のもと、粘り強く交渉を続けていただいた結果、自動車関税を確実に15%引き下げていただきました。赤澤大臣の卓越した交渉手腕に敬意を表しますとともに、改めて御礼を申し上げます。今回の合意により、サプライチェーン全体を含めた日本の自動車産業への壊滅的な影響は回避されたと認識しておりますが、一方で15%という関税率が自動車業界へ与える影響は決して小さいものではございません。それにあたりましては、米国政府との間で開かれた自由貿易に基づくビジネス環境確立に向けた議論を 継続していただきますようお願い申し上げたいと思います。

また、私ども自動車業界では、国内の生産基盤やサプライチェーン全体を堅持していきたいと考えております。そのためにも、恒久的な国内全需の維持・拡大は不可欠であり、今年の税制改正におきましても、取得時の環境性能割廃止を実現していただくことが、長年の悲願であります。 その一方、ガソリン等の暫定税率廃止に伴う代替財源を車体課税に付け替えるという報道がなされ、私どもは強い不安を感じております。ユーザーの負担軽減に逆行する措置は、断固阻止いただきますようお願い申し上げます。

さらには、レアアースの確保や半導体供給と自動車生産が直面している課題は、日に日に深刻さと緊急性を増しており、官民一層の連携強化を願います。日本の産業競争力を高め、雇用を守り、賃上げの好循環や適正取引推進の流れを止めないこと、これらは私ども自動車業界が今一度襟を正して全力で取り組まねばならない責務と考えております。引き続き政府からのご支援をいただきますようお願い申し上げます。

視察を終え、赤澤大臣より次のようなコメントがございました

赤澤亮正 経済産業大臣

かつての東京モーターショーと比べると、やはり他産業との連携とか、あるいは自動運転もそうですし、スタートアップの企業も含めて様変わりしていました。単に最先端の車が見られるというのではなくて、社会全体の将来が見え、来てみると楽しいショーになっていると思います。これを見ると本当にこれからは車好きに限らない、広い範囲の関心のある方たちが来ておかしくないショーになっていると思います。

特に脱炭素化技術とか、自動運転技術に取り組むスタートアップの展示など、新しいモビリティ産業の未来と、それに向けてチャレンジしておられる姿を、非常に頼もしく見ることができました。特に今後ろに自動運転のトラックがありますが、物流については必要な荷物が運べなくなる、34割足りなくなるとずっと予測されてきているので、解決しなければいけない課題です。ドライバーが居なくても荷物が届くのであれば、それも一つの非常に有力な解決策ですし、そういう社会的課題をしっかり解決をしていくという意味でも、極めて有意義な取り組みが行われていると思います。

自動車業界の皆さんとの懇談においては、GX、DX等の大きな変革の中で競争力をいかに高めるか、あるいは米国関税の影響とか、サプライチェーン、賃上げ、あるいは設備投資など、さまざまな課題について話を伺いました。経済産業省としては、我が国の基幹産業としての自動車産業が、こうした課題をしっかり力強く乗り越えていくことができるように、全力で後押しをしてまいりたいと考えております。

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