電動化や交通安全へ先進技術アピール!「人とくるまのテクノロジー展2026」

自動車技術会は5月27~29日、次世代モビリティを支える最新技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」(自工会など協賛)をパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催し、3日間で約8万人が来場しました。自動車メーカーや部品メーカーなど過去最多の約600社が出展、電動化や知能化に加え、交通安全に向けたさまざまな取り組みや先進技術などをアピールしました。

■いすゞ自動車・UDトラックス
いすゞ自動車UDトラックスはグループ共同ブースを設営。いすゞの電気自動車(EV/BEV)ピックアップトラック「D-MAX EV」を出展し、電動化による環境負荷低減や商用利用に求められる実用性を提案していました。

2026年型の大型トラック、UD「クオン」/いすゞ「ギガ」の一部に搭載されている最新パワートレイン「GH11エンジン」、12段自動変速のトランスミッション「ESCOT-VII」も展示。燃費性能や走行性能、ドライバーの快適性向上に貢献するパワートレイン技術を紹介しました。

■スズキ
スズキは、二酸化炭素(CO₂)回収装置を搭載した軽トラック「CARBON CAPTURE CARRY」などを出展。走行時に車両から排出されるCO₂を回収する装置を使い、回収したCO₂をハウス栽培の農作物の成長促進などに活用することを目指しています。

電動車いす開発の知見を生かした多目的電動台車「MITRA」も、来場者の注目を集めました。農業などに活用できる〝ロボットの足〟で、段差や不整地などの屋外環境でも安定して走行可能。「パートナー企業のロボティクス技術と組み合わせることで、さまざまな現場への実装」(担当者)を検討しています。ほかにも、船外機で実用化した耐熱アルマイト(陽極酸化処理技術)も出展しました。

SUBARU
スバルは、「クロストレック」や「フォレスター」に搭載されるストロングハイブリッドシステム「S:HEV」を展示。排気量2.5リットルの水平対向4気筒エンジンと四輪駆動システムに、駆動用と発電用の2つのモーターなどを組み合わせています。システムを実際に間近に見ながら、担当者から説明を受ける来場者が目立ちました。

ブースは、廃棄物の抑制・再利用を考慮した部材で構築されており、使用電力もバイオマス発電の電力を活用、環境に配慮していました。


■ダイハツ工業
ダイハツ工業は、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向け、今年2月に発売したダイハツ初の量産BEVの「e-アトレー」やダイハツ独自のシリーズハイブリッドシステムを軽量化・小型化した軽自動車用「e-SMART HIBRID」、ハイブリッド技術を応用した「直流主体のマイクログリッドシステム」をなどの多様な電動化技術を展示しました。

e-アトレーは、ベース車(ガソリン車)の広さや利便性を維持しながら、クラストップの航続距離(257キロメートル)と優れた静粛性や力強い走りを実現しています。

トヨタ自動車
トヨタ自動車は、新世代THS(トヨタハイブリッドシステム)を搭載した新型「RAV4 PHEV」などを出展。電力ロスを低減するSiC(炭化ケイ素)半導体を採用するなどしてエネルギー効率を高め、モーターのみでの航続距離を前モデルの95キロメートルから151キロメートルに伸ばしています。

「交通事故ゼロ実現に向けたトヨタの思い」もパネル展示などでアピール。衝突安全や予防安全など技術開発の歴史を説明するとともに、ヒト・クルマ・インフラの三位一体の取り組みが必要と訴えました。

日産自動車
日産自動車は、長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」の下、次世代運転支援技術「ProPILOT」(プロパイロット)搭載の試作車を開発するなど、新たな移動価値の創出に取り組んでいます。同車は英ウェイブ・テクノロジーズの生成AIを使った画像認識技術と日産の自動運転技術を組み合わせ、市街地でも車両の加減速やハンドル操作などをサポートします。

モーター、インバーター、 減速機の3つの部品を一体化したEV用の電動パワートレイン「3-in-1」と、大型化したセルを高密度に搭載した大容量バッテリーも披露。3-in-1は「e-POWER」(イーパワー)用の電動ユニットと主要部品を共有し、コストを低減。バッテリーは凹凸が少ないフラットなフロアを実現させています。

日野自動車
日野自動車は、6月発売の小型電気トラック(EVトラック)「日野デュトロZ EV」の最新モデル、大型トラック用の12段変速トランスミッション「M112」のカットモデルなどを展示しました。

普通免許で運転できる日野デュトロZ EVは、➀ドライバー不足の解消、②超低床・ウォークスルー構造による作業負担の軽減、③静粛性を生かした住宅地での配送、などラストワンマイル物流が抱える課題解決に貢献します。今回の改良では、航続距離が1充電当たり184キロメートルと従来比で20%以上向上しています。

本田技研工業
ホンダは、軽自動車をベースとした登録車として開発、5月に発売された新型EV「Super-ONE」(スーパーワン)などを出展。米ボーズと共同開発したサウンドシステムから車内に響く擬似エンジン音も楽しめ、1充電当たりの航続距離は274キロメートルです。

EVを楽しむには、安心で簡単に利用できる充電インフラが不可欠です。充電ネットワークサービス「Honda Charge」(ホンダチャージ)は日常の買い物や食事の合間に充電できる環境整備を進めており、自宅でEVと住宅をつなぐ「Honda V2H Stand」も展示されました。ホンダは「家庭内でのエネルギー活用の幅を広げる技術」を提案し、熱心に見学する来場者の姿が見られました。

マツダ
マツダは、CNやデジタルトランスフォーメーション(DX)などに関する取り組みを紹介。次世代車に対応する施工として、燃費や出力の向上に寄与する遮熱コーティング、窓を曇らせない防曇コーティングなど高耐久な技術をアピールしました。

ブースには、9年ぶりに全面改良して発売したばかりの主力SUV「CX-5」も展示。世界販売の4分の1を占める基幹車種で、スタイリッシュな外観デザインを持ち、音声認識機能や大型ディスプレーなども採用しています。

三菱自動車
三菱自動車は、四輪制御技術「Super-All Wheel Control(S-AWC)」と、1月に大幅改良して販売を開始した「デリカD:5」を紹介しました。S-AWCは、4輪それぞれの駆動力と制動力を常時最適に制御することで、雪道や未舗装路などの悪路における圧倒的な安定性と、ドライバーの意図通りに違和感なく曲がれる優れた操縦性を両立する車両運動統合制御システムです。「デリカD:5」をはじめ、「アウトランダーPHEV」や「トライトン」などに搭載されています。

展示ブースでは「デリカD:5」のカットモデルを展示し、ブーススタッフによる解説を聞くことができたほか、開発者による技術プレゼンテーションも行われました。

関連リンク

人とくるまのテクノロジー展 2026