- 2026/01/29
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【今さら聞けない】シリーズ レースの種類① 四輪車編
新年を迎え、多くの自動車メーカーが参戦するモータースポーツの2026年シーズン開幕を待ち望んでいるファンも多いでしょう。スピードやマシンの耐久性などで極限の性能が求められるレースは、自動車メーカーにとって技術を開発する上での絶好の〝実験場〟となります。日本メーカーも四輪車、二輪車それぞれのカテゴリーに参戦し、技術の研鑽を進めています。レースから市販車に活かされた技術も少なくありません。今回の「今さら聞けない レースの種類」1回目は「四輪車」編で、四輪車のさまざまなレースについて分かりやすく説明します。
■フォーミュラカーレース
4本のタイヤや運転席上部がボディーやカバーで覆われていないむき出しの1人乗りの専用車両で行われるレース。F1は〝世界最高峰〟のレースとして知られており、他にもフォーミュラEやスーパーフォーミュラ、インディカー・シリーズなどのカテゴリーがあります。
F1:国際自動車連盟(FIA)が主催する世界最高峰の自動車レースです。近年、人気が再び上昇しており、世界で最も視聴者数の多いモータースポーツとなります。世界を転戦し、2026年は全24戦でチャンピオンを争います。日本グランプリ(GP)は第3戦に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で行われます。2026年は本田技研工業がアストンマーティンチームにパワーユニットを供給して復帰。過去にもホンダやトヨタ自動車がワークスチームとして参戦し、ヤマハ発動機などがエンジンサプライヤーを務めていました。
フォーミュラE:FIAが2014年に開始したバッテリー電気自動車(BEV)のフォーミュラカーレース世界選手権。2025~26年シーズンは世界12都市で17戦が行われます。走行音が小さく、排ガスも出ないため、市街地での開催が多いことが特徴です。日本では7月に東京ビッグサイト(東京都江東区)周辺で行われます。日産自動車が8年目の参戦、ヤマハ発動機はLola Carsと共に「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」として昨シーズンから参戦しています。

スーパーフォーミュラ:国内最高峰のフォーミュラカーレース。レースで使用するシャシーやタイヤは共通で、エンジン(トヨタとホンダが供給)にも性能差がないイコールコンディションで争われるため、ドライバーの腕やチーム戦略が勝敗を左右します。2026年は全12戦でチャンピオンを争います。

インディカー・シリーズ:北米最高峰のフォーミュラカーレース。レースにはサーキットや市街地も用いますが、ストレートと傾斜角のついたコーナーで構成される楕円形のコースを高速で周回するオーバルコースが大きな特徴です。オーバルでは最高速度が380キロメートルに達するレースもあり、ホンダが参戦しています。
■プロトタイプ/ハイパーカー
レース専用に開発された試作車両(プロトタイプ)または高性能な市販車(ハイパーカー)をベースにしたレース仕様車で競うレース。タイヤや運転席はボディーに覆われています。世界耐久選手権(WEC)がその代表です。かつては「スポーツカー」「スポーツプロトタイプカー」という名で、WECの前身はWSCやWSPCと呼ばれました。

WEC:フランス西部自動車クラブ(ACO)が主催する耐久レースの世界選手権。ハイパーカークラスを最高峰クラスとし、ほかにLMGT3クラスなどがあります。6~24時間といった決められた時間内での走行距離(周回数)を競うため、速さだけでなくマシンの信頼性も求められます。日本からはトヨタ自動車が参戦しており、2026年は全8戦で、日本では第7戦が9月に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行われます。
ル・マン24時間レース:WECの1つのレース。仏ル・マン近郊のサーキットで24時間かけて勝敗を競います。2026年は6月に開催されます。F1の「モナコグランプリ」、インディカー・シリーズの「インディ500」と並び、世界三大レースとも呼ばれます。日本メーカーでは1991年のマツダが初の総合優勝。トヨタ自動車は2018年から4連覇を果たしています。
■ツーリングカー
市販車をベースにレース専用に改造した車両で競うレース。世界ツーリングカー選手権(WTC)やNASCAR、日本のスーパーGTがその代表例です。通称「ハコ車」のレースとも呼ばれます。
スーパーGT:スーパーフォーミュラと並ぶ国内最高峰のレース。GT500クラス、GT300クラスという異なるクラスの車両が同一のコースを混走します。GT500クラスの方がGT300クラスよりもスピードが速いため、それぞれ上手い抜き方、上手い抜かせ方がレースの勝敗を左右する時もあります。また、シリーズ中に、速いチームにはウェイトハンデが加算されるなど、白熱したレースの演出も見どころの一つです。2026年は全8戦で争われ、第3戦はマレーシアで開催されます。GT500クラスはトヨタ、ホンダ、日産がしのぎを削り、GT300クラスはトヨタ、日産、SUBARUの車両がポルシェやフェラーリなど海外メーカーの車両と競っています。

スーパー耐久:国内で行われる市販車ベースのツーリングカーの耐久レースで、エンジンの排気量や駆動方式によってクラス分けされています。2026年は全7戦で競われます。市販車からの改造範囲が限られるため、プライベーターと呼ばれる小規模チームの参戦も多いレースです。また、自動車メーカーの開発車両や各クラスに該当しない車両、S耐を運営するスーパー耐久機構事務局(STO)が認めた開発車両も参戦できるST-Qクラスでは、スバル、トヨタ、マツダが参戦を発表しており、レースを通じた車両開発に取り組んでいます。
WTC:FIAが主催し、2017年まで開催されていたツーリングカーによるレース。BMWやアルファロメオ、シトロエン、フォード、シボレーなどの海外メーカーのほか、日本からはホンダが参戦していました。
NASCAR:北米を中心に行われる、市販車風のボディーを被せたストックカーを用いたレース。楕円形のオーバルコースを中心に行われます。ピックアップトラックをベースとした車両で競われるカテゴリーがあるのも特徴の一つです。日本メーカーではトヨタが参戦しています。
■ラリー
市販車ベースのラリーカーで、一般の山道や林道などに設けられた競技区間のタイムを競うレース。舗装路だけでなく、未舗装路、雪道、氷盤路などでも行われます。ドライバーだけでなく、コーナーや路面状況などを伝えサポートするコ・ドライバーの2人で乗車するのも特徴の一つ。最高峰は世界ラリー選手権(WRC)です。
WRC:FIAが主催するラリーの世界選手権。欧州を中心に世界各地で開催され、日本でも開催されています。スペシャルステージ(SS)と呼ばれる競技区間のタイムの合計で競います。2026年は全14戦で争われ、ラリージャパンは5月に愛知県、岐阜県で開催されます。日本メーカーは2025年に総合優勝したトヨタが参戦しており、過去にはスズキ、スバル、日産、マツダ、三菱なども参戦し、好成績を収めました。

全日本ラリー選手権(JRC):国内ラリーのシリーズ戦。2026年は全9戦で争われます。トヨタ、スバルなどが参戦します。
■ラリーレイド
砂漠や山岳地帯、ジャングルなどの自然環境を数日から数週間かけて走破するレース。未舗装路を長期間走るための耐久性も求められます。ダカールラリーが最も有名なレースです。四輪車のほか二輪車でも競います。
ダカールラリー:例年1月に開催されるラリーレイド。以前はフランスの首都パリをスタートしセネガルの首都ダカールがゴールだったため、パリ・ダカールラリー(通称パリダカ)と呼ばれていました。現在はサウジアラビア国内で行われ、市販車クラスなどさまざまなクラスで競います。2026年も日野チームスガワラが参戦し、チームとしては35回、ドライバーの菅原照仁さん個人では21回目となる連続完走を達成しました。また、今大会二輪車部門で唯一の日本人ライダーである藤原慎也選手はプライベーターとしてホンダ車で完走を果たしました。


■ラリークロス
アスファルト(舗装路)とダートなどが混在するサーキットで行われるレース。舗装路での速度とダートなどでのラリー要素が求められます。RallyX(ラリーエックス)の略称で呼ばれています。

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