自工会、2024年新体制を発表 (11/22記者会見)
自工会は22日、都内で4年ぶりとなるリアル記者会見を開催し、会長交代の人事を発表しました。2024年1月1日付で約5年間勤めた豊田章男(トヨタ自動車会長)にかわり現副会長の片山正則(いすゞ自動車会長)が就任します。会見では、副会長一同が『信頼と共感でつくる未来」づくりに向けてフルラインナップのチームで取り組む決意を表明しました。
■記者会見アーカイブ(中継録画)
■会長 豊田 章男(トヨタ自動車 代表取締役会長)
先日、第1回「ジャパンモビリティショー」が、多くの方々のご支援とご尽力の下、盛況のうちに幕を閉じました。お客さまの数は日を追うごとに増え、最終的には、目標を上回る111万2千人、日当たり10万人の方々にご来場いただくことができました。主催者といたしましては、「成功」と言って良いのではないかと思っております。この場をお借りして、ご来場いただきましたお客さま、すべての関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
さて本日は、先ほどの理事会で、来年の1月からスタートする自工会の新たな役員体制について決定をいたしましたので、皆さまにご報告申し上げます。
いま2024年問題をはじめ、「物流・商用領域」が大きなテーマになっております。この「物流・商用領域」は「運行管理」や「エネルギーマネジメント」など未来に向けて、みんなで協力すべきテーマが多く、納期を明確にしやすいという特性があります。課題と納期が明確になれば、解決のための行動につながります。そして、その行動はカーボンニュートラルに向けた乗用車・二輪車の将来の取り組みにもつながってまいります。
今回の理事会では、喫緊の課題である「物流・商用領域」に全員で取り組むことが未来への重要な一歩になるとの認識のもと、大型車の世界で豊富な経験をもついすゞの片山さんに、次期会長をお願いしたいということになりました。副会長は、日本のフルラインナップのそれぞれの代表として現副会長6名に継続いただきます。そして、108名の自工会事務局。カレンダーが変わる来年の1月より、この体制で片山会長をしっかりとサポートしてまいります。
今から5年前、私が会長に就任したとき、自工会の事務局メンバーにこう言いました。
「これまで会長が変わる度に振り回されてきたかもしれない。そうならないように、
- 自工会としてのブレない軸を一緒につくっていこう
- 「事務局は100人の小さな所帯でも、自動車産業550万人の代弁者
仲間全員の想いを背負う覚悟と自覚をもってほしい。」この5年間で、事務局の人たちがいちばん変わったと思います。今回のモビリティショーがその象徴だと思います。
- 「自動車産業はみんなでやっている産業」
- 「未来はみんなでつくるもの」
これが自工会のブレない軸になりました。私自身は、自工会から離れることになりますが、5年という時間をいただいたことで、モビリティ産業を支える
業界団体としての土台はつくれたと思っております。
今、世界は対立と分断を深めております。
こんな時代だからこそ、今を生きる大人たちが未来を担う子供たちにどんな姿を見せるのか、何を伝えるのか。それが大切だと思っております。
日本には「ありがとう」という美しい言葉があります。
私自身、モビリティ産業に関わるひとりの大人として、これから生まれてくる子供たちのために
- 「ありがとう」と言い合える日本
- 「信頼」と「共感」に支えられた未来
を多くの仲間と一緒に創っていきたいと思っております。
今後とも、自工会の取り組みにより一層のご支援をお願いいたします。
ありがとうございました。
■副会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)
本日の自工会理事会にて、日本自動車工業会の新しい会長として選出されましたので、ひとことご挨拶させていただきます。
まず、この立場に就任できることを誇りに思う一方、100年に1度と言われる自動車産業の大変革の真っただ中で会長の「たすき」を受けとる、その重責に身の引き締まる思いです。今回の就任にあたり、2018年からの5年間、さらに遡ると2012年から2014年にも2年間、強力なリーダーシップで業界を引っ張っていただきました豊田会長に深く感謝申し上げます。
なかでも近年の自工会改革の断行では多くの場面で卓越した指導力を発揮していただきました。特にここ2年の改革により、課題解決にチームで取り組む体制ができて来ました。この流れを絶やすことなく、この改革をさらに進化させ、果敢に課題解決を図ってまいることを新体制一同、お誓いする次第です。
自動車産業は、これからも日本の経済において最重要な柱と言っても過言ではなく、私たちの団体はこの業界を支える中心的な存在です。しかし、私たちは新たな課題と変革の時代に立たされています。自動車技術の進化、環境への影響、そして市場の変動など、私たちが直面している課題は多岐にわたります。
その中で、特に、ここ2、3年で注力する課題を7つにまとめた結果、カーボンニュートラル化だけでなく、2024年問題に代表されるドライバー不足、物流効率化や運行管理等、協調すべき課題が多い商用領域が当面のペースメーカーになるべきとの結論に至り、今回の自工会新体制となりました。私たちのビジョンは、これらの課題に果敢に立ち向かい、業界をさらに発展させ、社会に貢献していくことです。
まず第一に、環境への貢献を強化し、持続可能な自動車技術とモビリティの未来を築きます。日本自動車工業会では、従来より多様な選択肢、マルチパスウェイの必要性を
「敵は炭素であり内燃機関ではない」
という言葉で世界に訴えてまいりました。理解の波は着実に広がりつつあります。地域の事情や特性を活かしたカーボンニュートラル実現の活動は多くの仲間作りにつながってきており、例えばカーボンニュートラル燃料等の議論が進んできています。今後の2年間で、日本自動車工業会は今まで以上に地球環境保護への責任を果たし、エネルギー効率の向上、電動車の普及など、環境への貢献を積極的に進めてまいります。
また、我々の業界は急速に変化しており、新しいテクノロジーとデジタル化の進化は、新たなビジネスモデルと機会を提供しています。私たちはこの変革に対応し、研究開発への投資を増加させ、新たな市場へのアクセスを開拓することで、競争力を維持し続けます。
先月、第1回ジャパンモビリティショーが開催されました。100万人を超える入場者数や、100社を超えるスタートアップ企業の参加など、従来のモーターショーの領域を超えた確かなモビリティ産業への社会の期待と、その可能性をしっかりと掴むことが出来ました。引き続き、550万の仲間から850万の仲間作りに向けて邁進してまいります。
最後に、全産業の皆さまに感謝申し上げます。皆さまのご協力とご支持がなければ、私たちのビジョンを成し遂げることはできません。皆さまとともに、日本の自動車産業をより強化し、未来を開拓していくことを楽しみにしております。心から感謝し、共に素晴らしい未来を築いていくことを期待しております。
(左上から)副会長 永塚誠一(自工会)、内田誠(日産)、鈴木俊宏(スズキ)、三部敏宏(ホンダ)、佐藤恒治(トヨタ)、
片山正則(いすゞ)、会長 豊田章男(トヨタ)、副会長 日髙祥博(ヤマハ)
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