自工会新体制、「7つの課題」に立ち向かう (3/22記者会見)

自工会は3月22日、都内で記者会見を実施しました。今回は会長の片山正則(いすゞ自動車会長)が就任した新体制として初となります。6名の副会長とともに自動車業界が直面する喫緊の「7つの課題」について、誰がリードしどのように立ち向かうのか、会場とオンラインで参加した報道陣に対し、それぞれが決意を表明しました。

■記者会見アーカイブ(中継録画)

■会長 片山 正則(いすゞ自動車 代表取締役会長)

まずは、本年1月1日に発生いたしました能登半島地震により犠牲となられた方々に心よりお悔みを申し上げますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。未だ避難生活を余儀なくされている方も複数いらっしゃいますが、被災された地域の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

今後も引き続き、経済産業省や国土交通省をはじめとした国、被災された地域の自治体とともに連携いたしまして、被災地域のニーズに基づいた支援を行ってまいりたいと思っております。

私自身、本年1月より豊田前会長より「タスキ」を受け取り自工会の会長職に就任いたしましたが、100年に1度と言われる自動車産業の大変革期において、カーボンニュートラルの実現や物流の停滞が懸念される2024年問題など、さまざまな課題に正面から向き合い副会長や理事の皆さま方と一致協力し、全力でこの難局を乗り越えてまいる所存でございます。

また、会員企業の下請法違反の勧告を受け、公正取引委員会から、下請法違反行為事例を周知し、違反行為の未然防止を促すとともに、今後の価格転嫁に係る法令遵守の在り方について、原価低減要請の在り方等を検討し、業界全体の取引適正化を一層推進するように要請がございました。

自工会としても大変重く受け止めており、本日の理事会にて、一層の適正取引の浸透に向けて早急に、法令遵守状況の緊急点検を行うなど全会員企業で、再発防止の取り組みを徹底することを申し合わせいたしました。あわせて、公正取引委員会による調査では協議を経ない取引価格の据え置きなどが確認された事業者として、会員企業名が公表されました。

自工会としましても、自動車部品工業会とも連携いたしまして、価格交渉における明示的な協議の実施や労務費転嫁指針に則して、価格転嫁をしっかりと図っていくことなど全会員企業への浸透を徹底してまいる所存でございます。先日、春交渉の結果が概ね出揃いましたが、自動車産業はこれまで、厳しい経済下でも雇用を守りながら大手製造業平均を上回る水準の賃上げを継続してまいりました。今回の交渉においては、特に物価動向を重視した賃上げに取り組み、ほぼ全ての会員企業で満額回答を行いました。

物価上昇が続く中、自工会各社は 「成長・雇用・分配」 に積極的に取り組むとともに、サプライチェーン全体で適正な価格転嫁が実現するよう一層の取引適正化を推進してまいりたいと思っております。

そして7つの課題についてでございますが、自工会では自動車産業がモビリティ産業へと発展し、今後も基幹産業として日本経済に貢献していくために向こう2年程度をスコープに注力すべき「7つの課題」を取りまとめております。その中でも「物流・商用・移動の高付加価値化・効率化」の課題につきましては、私自身がオーナーとなり、物流24年問題に対し、課題解決に向けたデータ連携や自動運転の実用化などを目指し、少しでも貢献できるのではないかと検討を進めております。

その他の課題についても、ここにお集まりの副会長の皆さま方と一緒にオーナーシップで取り組んでまいりますが、各副会長にて取り組む課題の調和を図り、自動車産業の枠を超えて経団連モビリティ委員会企業さまの皆さま方との連携や官邸との懇談会等を通じましてオールジャパンでの取り組みを加速してまいりたいと考えております。

私たちが直面している課題は多岐にわたりますが、メディアの皆さま方におかれましては、今後とも、自工会の取り組みにより一層のご支援をお願い申し上げます。

 

■副会長 日髙 祥博(ヤマハ発動機代表取締役社長)

自工会では自動車産業7つの課題を設定し、やることはもう明確になりましたので、今後全力で片山会長を支えてまいりたいと考えております。

その7つの課題に関して私が担当しますのは、課題6「競争力のあるクリーンエネルギー」と課題7「業界をまたいだデータ連携や部品トレーサビリティの基盤構築」の2つでございます。

課題6のクリーンエネルギーについては、鈴木副会長と連携して様々なクリーンエネルギーを競争力のある形で活用する環境を整え、「マルチパスウェイ」を具現化していきたいと考えております。

また課題7のIT基盤について、まずは目の前にある欧州電池規則にきちんと対応すべく、ITシステム「ウラノス」を活用した電池トレーサビリティを進めながら、「モビリティスマートパスポート構想」の実現を目指しつつ、経団連モビリティ委員会の企業の皆さまと協力してデータ連携の輪を広げていきたいと考えております。

いずれにしましても、7つの課題を推進しつつ、正副会長一丸となって日本の自動車産業を盛り上げていきたいと考えております。

 

■副会長 三部 敏宏(本田技研工業 代表執行役社長)

片山新会長のもと、会長・副会長一丸となり様々な課題に取り組んでまいりたいと思います。

私は、7つの課題のうち、半導体の領域について進めてまいります。ここ数年で問題となった自動車製造における半導体不足に対応すべく、半導体の中でも「レガシー半導体」「アナログ半導体」という、 少し名前は古く感じるかもしれませんが、自動車にとっては基幹の半導体について、今後需要もさらに拡大するということで、それにうまく対応し、安定調達を確保したいという狙いで取り組んでまいります。

特に、自動車工業会だけでは完結できませんので、自動車工業会並びにティア1のサプライヤー、商社、半導体メーカーも巻き込んで官民一体となった企画・検討を進めてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

■副会長 鈴木 俊宏(スズキ 代表取締役社長)

片山会長を我々副会長、理事がしっかりとサポートしながら、全員が自動車業界の課題解決に向けて積極的に取り組んでいけるようにしたいと思ってます。自工会として、ワンボイス、原理原則に基づいて正しい情報を発信できるようにしていくということ。そして、異業種も巻き込みながら日本の発展に寄与できるように頑張りたいと思ってます。

7つの課題のテーマについては「競争力あるクリーンエネルギー」ということで、カーボンニュートラル燃料の早期実装を目指していきたいと思ってます。自工会としてマルチパスウェイで取り組んでいる中で、(カーボンニュートラル燃料は)カーボンニュートラル達成の多様な選択肢の1つであると思っています。保有台数見ても、8,250万台を超える車があるということで、カーボンニュートラル燃料をしっかり推進していきたいと思います。

とはいえ、商用化及び普及の拡大に向けては課題が山積みのように思います。自動車業界だけでなく、石油業界、他業界、経団連、政府を巻き込みながら1つ1つの課題を解決していきたいと思いますし、まずはやってみることが大事だと思っております。

 

■副会長 内田 誠(日産自動車 代表執行役社長)

皆さんご存じの通り、自動車産業を取り巻く今の環境は大きく急速に変化しております。

新たな課題であったり、新たな競争相手も次々と登場しており、今までのやり方の延長線上では対応できないケースが多いかと思います。

そういう面においては、先ほど片山会長仰ったように我々自工会における会長・副会長が一丸となって、どうこれからの協調領域を広げながら、個社の競争領域を守りながら、我々の競争力、日本の力を出していけるかが1番のポイントだと思っております。

そういう中で私は7つの課題のうちの2つ目「電動車普及のための社会基盤」をどう構築できるか、どう整備できるかといった点を取り組んでまいりたいと思ってます。

まだまだ日本における電動化比率は高くはございませんので、そういった中で、どうこれから日本の中で促していけるかを、関連の企業と色々な話をさせていただきながら、政府とも連携しながら進めていければと思っています。

本当に日本の競争力をどう出せるのかという点においては協調領域が多くあろうかと思いますので、この正副の中で話をさせていていただきながら、自工会として方向性を出していければと思ってますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

■副会長 佐藤 恒治(トヨタ自動車 代表取締役社長)

1月以降、実質この新体制、片山会長の下で活動が始まっておりますが、特に7つの課題を中心に大変精力的な議論が進んでいると感じております。副会長間のテーマを跨いだ連携も多々ございまして、ある一定の進化を見せてるのではないかなと感じています。

7つの課題につきまして、私自身が取り組んでおりますのは「重要資源の安定調達」ならびに「国内投資が有効に生かせる通商政策への反映」をテーマにしております。ご案内の通り昨年のG7で発信した日本らしいカーボンニュートラルの在り方、マルチパスウェイを基軸に置きながら、その1つの手段であるバッテリーEVの普及・浸透に向けても大きなエコシステム、材料調達から 電池の二次利用並びにリサイクル、こうした大きなエコサイクルをしっかり描いていくことは非常に重要だと捉えて様々な課題の検討を進めているところでございます。

特に重要資源の調達につきましては、電池もそうですが半導体も安定した調達ルートを確保してくということは非常に重要になりますので、 三部副会長とも連携しながら自工会全体でしっかり取り組むということ、ならびに産業を跨いだ連携を意識しながら取り組んでいくことを進めながら、具体的な取り組みに落とし込んでいきたいと考えております。

 

■副会長 永塚 誠一(自工会 専務理事)

各会長・副会長からお話ございました通り、自動車業界を取り巻く環境は 非常に大きく変化しておりまして、様々な課題が山積をしてる状況でございます。

今後とも、自動車産業が基幹産業として日本の経済社会を支え続けるためにも、7つの課題をはじめとする困難な課題にも真正面から向き合って、業界の垣根を越え、他の産業の皆様とも連携し、自工会チーム一丸となって対応してまいります。

事務局を預かるものといたしましては、これまで豊田前会長が自工会変革を通じて築いていただきました枠組みがございますので、この枠組みをぶれない軸として片山会長をしっかりとお支えし、 各副会長の皆さま、理事の皆さまとともにこの難局を乗り越えてまいりたいと思います。

ご理解、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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