チャレンジ精神で変革を! 自動車メーカー入社式

自動車メーカーは4月1日、2024年度の入社式を一斉に開催しました。モビリティ産業は今、変革の真っただ中にあります。各社のトップは、チャレンジ精神をもって変革に挑んでほしいと新しい仲間たちを激励しました。

いすゞ自動車

いすゞ自動車は藤沢工場(神奈川県藤沢市)と栃木工場(栃木県栃木市)で入社式を開き、新入社員262人が出席しました。オンラインでメッセージを送った南真介社長は、「年始に商用車メーカーとして初めて日本自動車工業会の会長企業となりました。業界全体の競争力向上に向け、業界全体をリードしていきます。まもなく、当社の2030年を見据えた新たな中期経営計画を発表します。その実現に向けて、社員と会社が相互成長を果たし、より強い会社をつくり、『地球の〝運ぶ〟を創造』していきましょう」と呼びかけました。
編集部注:中期経営計画は4月3日に発表済

いすゞの南真介社長は入社式で「自工会会長会社として業界をリードしていく」と強い決意を示した

川崎重工業

川崎重工業は神戸市内で入社式を実施しました。342人(うち、カワサキモータース53人)が新たに入社しました。橋本康彦社長は、「私の好きな言葉に『求めよ、さらば与えられん』という聖書の言葉があります。自ら進んで求め、努力すれば、どんな困難な道でも必ず開けるという意味です。皆さんも新入社員として新たな自分にチャレンジしようと決意されていると思います。その思いを持って、困難な状況の中でも自らの可能性を信じ、努力し続けること、行動することが自身を成長させ、道を拓くことでしょう」と述べました。

自身の好きな言葉を挙げ、新入社員にエールを送った川崎重工業の橋本康彦社長

スズキ

スズキは浜松市内で入社式を行いました。スズキグループの入社式で、スズキのほか、関係会社や販売代理店の新入社員を含め総勢1386人が集まりました。鈴木俊宏社長は「皆さんには健康第一、コミュニケーション力を磨くこと、失敗を恐れずチャレンジすることをお願いしたいと思います。スズキグループが世界中のお客さまから愛され、社会から必要とされる存在であり続けるように、チームスズキ一丸となってやっていきましょう。一緒に挑戦していきましょう」とメッセージを送りました。

新入社員と記念撮影するスズキの鈴木俊宏社長(写真中央)

SUBARU

SUBARUには519人の新入社員が入社しました。入社式は本社(東京都渋谷区)のほか、各事業所で行いました。大崎篤社長は、「過去からの延長線ではない非連続の時代。その変化への適応が、会社にも、社員にも求められています」と業界の変革について説明しました。その上で、「どんどん前向きにチャレンジしていって、会社に新しい風を吹き込んでください。会社はそういうチャレンジする人をしっかりと見ていますし、応援していきます」とエールを送りました。

新入社員にエールを送るSUBARUの大崎篤社長

ダイハツ工業

ダイハツ工業は本社(大阪府池田市)で入社式を実施しました。井上雅宏社長は236人の新入社員を前に、「まずは認証申請不正で皆さんとご家族に大変ご心配をおかけしていることをお詫び申し上げます」と述べた上で、「ダイハツは今『働いて安心』『役割で仕事』『現場主義』を合言葉に、『ワンチーム』で笑顔あふれる会社を目指し、変わろうとしています。そのために皆さんの力が必要です」と語りかけました。そして、「元気と笑顔を社内に届ける、謙虚な気持ちを持ち続ける、失敗を恐れず、常にチャレンジするの3つをお願いします。皆さんが企画・開発し、生産・製造したクルマが世界のあらゆる場所で走り回る日がやってきます。今日から私たちは仲間です、本音で話し、それに向かって一緒に頑張りましょう」と激励しました。

「笑顔あふれる会社を目指してダイハツは変わろうとしている」と語ったダイハツ工業の井上雅宏社長

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、愛知県豊田市の本社で入社式を開きました。新卒採用社員1464人が集まり、2023年度中に入社したキャリア入社組428人もリモートで参加しました。佐藤恒治社長は新入社員に「ようこそトヨタへ。一緒にクルマの未来を変えていこう」と呼びかけ、「夢を大切にしてほしい。意思をもって仲間と行動し続ければ、夢は現実になる。必ず未来の景色は変わる」とエールを送りました。会場にはトヨタ初の乗用車「トヨダAA型」から燃料電池車「ミライ」、各工場やカンパニーを代表する車種も展示し、工場長とプレジデントから新入社員へのメッセージも添えられました。佐藤社長は「皆さんにとって人生の新しい1ページが始まる大切な日、クルマ屋の会社に入ったことを実感する1日であってほしい」と語りました。

「一緒にクルマの未来を変えていこう」と呼びかけるトヨタ自動車の佐藤恒治社長

日産自動車

日産自動車は本社(横浜市西区)で入社式を実施し、824人の新入社員が出席しました。内田誠社長は「日産は昨年、創立90周年を迎えました。その中で培った経験、技術力は私たちにとって大切な財産ですが、それだけに頼っていては、私たちの目指す新たな価値の創造は実現できません。皆さんの既成概念にとらわれない発想や豊かな感性、そこから生まれる気づきは大きな原動力となります。遠慮することなく、意見を積極的に発信してほしいと思います。そして新たな日産、モビリティの未来を一緒に創っていきましょう」と語りました。

「新たな日産を創ろう」と呼びかける日産の内田誠社長

日野自動車

日野自動車には154人の新入社員が入社しました。本社(東京都日野市)で実施した入社式で小木曽聡社長は、「カーボンニュートラルや物流の2024年問題などの課題がたくさん目の前にあります。豊かで住みよい世界と未来に貢献することが日野の使命です」と強調しました。同社は22年6月、企業の基本理念などを定めた「HINOウェイ」をつくりました。小木曽社長は、「HINOウェイで掲げる3つの価値観『誠実』『貢献』『共感』を大切にしてほしい」と語りました。さらに、「主体的、積極的に一生懸命に取り組んでいくことで、仕事の力が付き、仲間ができます」と、新しい環境に飛び込む新入社員を励ましました。

過去の反省と未来に向けた道筋を示した日野の小木曽聡社長

本田技研工業

本田技研工業には772人が入社しました。入社式は宇都宮市内のメイン会場と6事業所会場をオンラインでつなぎ、新入社員を迎え入れました。三部敏宏社長は、「ホンダの強みは、やはり夢への挑戦と、それを生み出し、実行するのは人なんだ、ということ。リスクを恐れずチャレンジし、そこから生み出されたものは、われわれの勝ち技になります」と語りました。そして「ホンダにとっての最大の財産は人材です。これからのホンダを引っ張っていくのは、誰でもない皆さんです。ぜひ主人公は自分たちなんだ、という自覚をもって、今日からチャレンジしてください」とメッセージを送りました。

「主人公は自分たち」と語るホンダの三部敏宏社長

マツダ

マツダは、608人の新入社員を迎え入れました。マツダ体育館(広島市南区)で開催した入社式で毛籠勝弘社長は、「今日から皆さんは、マツダというコミュニティーに属することになります。 中国地域には約22,000名、世界では約45,000名の従業員が同じコミュニティーに属しています。このコミュニティーに属するということは、『マツダの人』となることを意味します。つまり皆さん一人ひとりがマツダブランドそのものとなります」と述べ、社員としての自覚を促すとともに、新たな仲間を歓迎しました。また、「今後もマツダがお客さまに選ばれ続けるため、前向きに今日を生きる人の輪を広げていくため、皆さんにはフレッシュな原動力になっていただきたい」と話しました。

毛籠勝弘社長に決意表明するマツダの新入社員

三菱自動車

三菱自動車は岡崎製作所(愛知県岡崎市)で入社式を開催しました。305人の新入社員に向け、加藤隆雄社長は、「これからの時代はクルマの販売のみではなく、周辺ビジネスにもチャレンジする必要がある。皆さんにもそうした新しいチャレンジやビジネスをけん引していけるような力になってほしい」と、一人ひとりの活躍を願いました。また、モビリティ業界が急速に変化する中、「世の中の変化に敏感であること、積極果敢にチャレンジすることを期待しています。一緒に頑張りましょう」と述べました。

加藤隆雄社長も出席した三菱の入社式

三菱ふそうトラック・バス

三菱ふそうトラック・バスは、横浜市内で入社式を開催し、218人の新入社員が出席しました。カール・デッペン社長はビデオメッセージで「当社は単なる商用車メーカーでなく、『世界を動かし続けるすべての人々のために』という明確な目的を持つ、社会に不可欠な企業です。皆さんがプロフェッショナルへの道を進んでいくに当たりアドバイスするなら、顧客志向のマインドを育み、主体的に行動し、大胆なアイデアを出してほしいということです。三菱ふそうに新しいエネルギーとアイデア、前向きな変化をもたらしてくれることを願っています」と祝辞を述べました。

三菱ふそうトラック・バスのカール・デッペン社長はビデオメッセージを送った

ヤマハ発動機

ヤマハ発動機は、本社(静岡県磐田市)で入社式を開催しました。5年ぶりの対面での入社式には306名の新入社員が参加。日髙祥博社長は、「『健康、安全、コンプライアンスが第一』という会社方針を忘れないでください。また、皆さん自身が幸せに生きるために、仕事の時間価値向上に取り組んでいただきたいと思います」と2つのメッセージを新入社員に伝えました。さらに、「これからも『感動創造企業』として、未来永劫、ヤマハ発動機が必要とされる企業であり続けるためには、皆さんの力が必要です。〝人がもっと幸せになれる〟未来の実現に向けて、ともに頑張りましょう」とエールを送りました。

仕事の時間価値向上の重要性を説くヤマハ発動機の日髙祥博社長

UDトラックス

UDトラックスは本社(埼玉県上尾市)と本社以外の5地域をオンラインでつないで入社式を実施しました。141人の新入社員を前に丸山浩二社長は、「モノを買ってもトラックがないと届きません。物流が動かないとわれわれの生活は成り立ちません」と、トラックの社会的な役割を伝え、「UDトラックスは日本の、海外の物流を支えています。ぜひ、誇りを持って働いていただきたいと思います」と述べました。そして、「私がいつも仲間に言っているのは、『仕事は厳しく、でも職場は楽しく』です。皆さんの配属をたくさんの先輩が心待ちにしている。ぜひ前向きに元気に職場に入ってきてほしい」と温かい言葉を送りました。

物流を支えるトラックの社会的役割について語るUDトラックスの丸山浩二社長

各社のトップはそれぞれの事業方針や自身の経験を踏まえ、思い思いのメッセージを新入社員に送りました。新しい仲間を迎えた自動車業界は、これからも人の生活を豊かにするモビリティの創造に取り組みます。

関連リンク

2023/4/13 新しい仲間にトップがエール! 自動車メーカーが一斉に入社式

2024/03/21 多様性が強み!外国人も働きやすいモビリティ産業

2023/03/08    多様な人財こそ財産!自動車メーカーのダイバーシティ&インクルージョン