- 2025/08/27
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東京ドームに「自動車旋風」の予感!都市対抗野球2025
東京ドームで8月28日に開幕する「第96回都市対抗野球大会」。12日間にわたり全国12地区の予選を勝ち抜いた31代表と前回覇者(横浜市代表・三菱重工East)の計32チームがトーナメントで争う社会人野球の夏の祭典で、今大会は自動車メーカーの野球部が大暴れする可能性があります。2024年の前回大会の2倍となる6チームが出場し、各チームが好調で勢いがあるからです。
今大会は、昨年に続いて出場するSUBARU、トヨタ自動車、三菱自動車岡崎に加え、本田技研工業から、Honda、Honda鈴鹿、Honda熊本の3チームががそろって出場します。
東京ドームに「自動車旋風」が巻き起こる予感がする大会となりました。
都市対抗野球大会の「補強選手」をご存じでしょうか。出場する各地区代表チームが、同じ地区の敗退チーム、すなわち出場できなかったチームから3人以内を選出し、チームの一員として大会に出場させることができる制度です。例えば今回、三菱自動車岡崎は、東海地区敗退チームのJR東海から3人の選手を補強します。JR東海の3選手は、三菱自動車岡崎のユニフォームを着て出場するのです。
補強は、各地区の第1代表、第2代表…の順で優先的に選手を獲得することができます。したがって今回、北関東、東海地区で第1代表のSUBARU、トヨタ自動車は優先して選手を獲得できるため、総合的なチーム力という点では有利な大会となります。
北関東地区第1代表のSUBARUは30回目の出場。群馬製作所がある太田市を拠点とする強豪です。チーム名が富士重工業だった2014年の第85回大会では西濃運輸(大垣市)と決勝を戦い、この試合が平成で唯一の天覧試合となりました。今年のSUBARUは、試合の度に打順が変わる変幻自在の打線が特長です。その中で唯一不動なのが4番の外山優希選手。日本製鉄鹿島との北関東第1代表決定戦では4打点をたたき出し、チームの原動力となりました。
初戦は8月31日午後2時、相手は東京都代表の東京ガスです。
東海地区第1代表のトヨタ自動車は27回目の出場で、2016年と2023年に優勝しています。2024年の大会は優勝推薦で出場しましたが、結果的に神戸市・高砂市代表の三菱重工Westに敗れ、2回戦敗退となりました。チームの若返りを図る今年、その象徴的存在といえるのが1番に定着した熊田任洋(とうよう)選手です。西濃運輸との第1代表決定戦では、試合の主導権を握る貴重な3点本塁打を放ちました。
8月30日午後2時、仙台市代表のJR東日本東北と戦います。
同じく東海地区第4代表の三菱自動車岡崎は創部32年と比較的若いチームながら15回目の出場です。最高成績は2001年の準優勝。初優勝を目指してチーム一丸となって練習しています。粘り強いピッチングの先発と安定したリリーフの継投が特長で、4番を打つ主将の古川智也選手は打撃の要。ヤマハと戦った第4代表決定戦では満塁ホームランを含む2本塁打で全7得点をたたき出し、自らのバットで東京ドームへの切符をつかみました。
8月29日午後2時の初戦の相手は、高松市代表のJR四国です。
ホンダは3年ぶりに3チームそろっての出場となりました。
東京地区第3代表のHondaは2024年、拠点を埼玉県から東京都へ移しました。予選の地区が変わった昨年は本大会出場を逃し、悔しさをバネに今年は東京地区で初の代表を勝ち取りました。38回出場で3回の優勝を誇る強豪です。第3代表決定戦でJR東日本を突き放した打撃力で、5年ぶり4回目の優勝を目指します。
初戦は8月31日午後6時、千葉市代表のJFE東日本と対戦します。
東海地区第3代表のHonda鈴鹿は27回目の出場。1994年に初優勝して以来、優勝から遠ざかっています。鈴鹿サーキットのそばにあるホンダアクティブランド内に拠点を置いて日々練習を重ねています。東邦ガスとの第3代表決定戦では3年目の藤江亮太選手が見事に4番の役割を果たし、試合の主導権を握りました。
8月31日午前10時の初戦は、福山市・倉敷市代表のJFE西日本が相手です。
九州地区第2代表のHonda熊本は、大津町の熊本製作所が拠点。18回目の出場となる今年のチームスローガンは「継勝」~Go Beyond the Limit~。KMGホールディングスとの第2代表決定戦では、山本卓弥選手が2打席連続本塁打を放って引き離し、代表切符を奪取。山本選手は敢闘賞に輝きました。
9月1日午後6時の初戦は、浜松市代表のヤマハと戦います。
今大会で忘れてはいけないのは、出場を逃した日産自動車野球部(横須賀市)です。1959年に創部し、都市対抗野球で2度優勝している古豪でしたが、09年限りで休部となりました。それでも社内では復活を求める声が多く、今年から活動を再開。16年ぶり30回目の出場を目指し、全員が新入社員の新卒社会人チームで西関東大会に臨みました。第2代表決定戦で惜しくも東芝に敗れて出場を逃しましたが、社員の士気は高まり、横浜スタジアムのスタンドは笑顔にあふれました。メンバーからは、横浜市代表のENEOSの補強選手として角田蓮選手と石飛智洋選手の2人が出場します。他チームの一員として「日産魂」を見せてくれる場面があるかもしれません。
社会人野球は、各企業にとっては社員の結束を強める存在です。今回出場するメーカーの社長は企業スポーツの意義として、「従業員の士気向上」や「チームと従業員の一体感」、「地域との一体感」などを挙げています。選手らは社員として働きながら日々練習に励んでいます。同僚や野球部関係者だけでなく、全社を挙げて応援するスタンドの盛り上がりが、野球部の存在意義を物語っています。
観戦に行って、東京ドームに鳴り響く応援団の力のこもったエールに飲み込まれるのも、都市対抗野球大会の醍醐味です。
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