迫力満点!日本開催の世界最高峰レース

読書やスポーツ、食欲の秋。モータースポーツでも、世界的な人気を集める国際格式のレースが日本で相次ぎ開かれます。テレビやインターネットでの視聴も楽しいものですが、五感で観るモータースポーツはやはり迫力が違います。友人や家族とともにサーキットへ足を運んでみませんか?

まず紹介するのは、国際自動車連盟(FIA)が主催するフォーミュラ・ワン(F1)世界選手権日本グランプリ(9月24日決勝、鈴鹿サーキット )です。F1はオリンピック と並ぶ国際的なスポーツイベントで、メディアを通じた視聴者数は20億人とも言われます。21年にF1活動を終えた本田技研工業が26年からの復帰を発表したことで、改めて注目されました。

四輪レースの最高峰・F1

F1は1950年のイギリスで初めて開催された伝統あるレースです。日本の自動車メーカーとしてはホンダが64年に初参戦し、翌65年には初優勝の快挙を成し遂げました。83~92年の「ホンダF1活動第2期」と呼ばれる期間には、日本でもF1ブームが起きました。

使用する車両は、ドライバーとタイヤがむき出しになったレース専用車で、最高速度は時速300kmを優に超えます。直線コースを猛スピードで走り抜ける迫力もさることながら、カーブでの競り合いはF1の大きな見どころです。うまく相手をかわして順位が入れ替わったときなどは、観客席から大きな歓声が上がります。F1は世界最高クラスのドライバーが参戦を目指すレースとして、モータースポーツの頂点に君臨しています。

今シーズンは3~11月までの9カ月間に全23戦が行われる予定です。父親もF1ドライバーで21、22年に年間総合優勝を果たしたマックス・フェルスタッペン選手(オラクル・レッドブル・レーシング)の3連覇成るかどうかが注目です。日本人ドライバー、角田裕毅選手(スクーデリア・アルファタウリ)の母国日本での活躍も期待されます。なお、日本グランプリの日程は、来シーズンは春開催となることが決まっており、4月7日に決勝が行われる予定です。

続いては、二輪車レースの最高峰、MotoGP(ロードレース世界選手権)日本グランプリ(10月1日決勝、モビリティリゾートもてぎ)です。国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の主催によるもので、始まりは1949年とこちらも長い歴史があります。現在は「MotoGP」(排気量1000cc)、「Moto2」(600cc)、「Moto3」(250cc)の3つのクラスがあり、MotoGPクラスが最高クラスに位置付けられています。22年の日本ブランプリには、悪天候にも関わらず3日間で5万7482人の観客が訪れ、会場が熱気に包まれました。

MotoGPにはホンダとヤマハ発動機が参戦(ホンダのマシン)

ヤマハのマシン

二輪車のレースは四輪車以上に、抜きつ抜かれつの接戦が多く、暴れるマシンを手足のように操るライダーのテクニックが見ものです。今シーズンのMotoGPは全20戦が行われる予定ですが、今年から土曜日にメインレースの半分の距離で行われるスプリント(短距離)レースも加わりました。日本メーカーは「RC213V」の4台体制で臨み、中上貴晶選手(LCRホンダ・イデミツ)も出場するホンダと、2台の「YZR-M1」を送り込むヤマハ発動機の活躍に期待がかかります。

最後に紹介するのが世界ラリー選手権(WRC)の最終戦でもあるラリージャパン2023(11月16~19日、愛知及び岐阜県)です。WRCはF1と同じくFIAが主催するラリーで、欧州を中心に人気が高く、メディアを通じた視聴者数は世界で5億人を超えます。日本では昨年、12年ぶりに復活しました。

昨年のラリージャパン

ラリーは、一般道を封鎖して設定される「SS(スペシャルステージ)」と呼ばれる競技区間の走行タイムの合計を競います。雪道や未舗装路、ガードレールのない断崖絶壁すれすれの道を信じられないようなスピードで走り抜けていく姿は圧巻の一言です。助手席に座るコドライバー(ナビゲーターとも呼ばれるドライバー以外の選手)が入念にコースを下見し、カーブのR(曲線半径)や勾配、滑りやすさなどをキメ細かくドライバーに教えているからこそできる芸当です。

日本の自動車メーカーからはトヨタ自動車の「ガズーレーシング」が「GRヤリス ラリー1ハイブリッド」で参戦しています。父親もラリードライバーだった勝田貴元選手は地元愛知県出身で、昨年は3位に入りました。ラリージャパン初優勝への期待が高まります。

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フォーミュラ・ワン(F1)世界選手権日本グランプリ

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