- 2025/01/24
- JAMAGAZINE, その他, 思い出の一台
「広報が選ぶ思い出の1台」③ スズキ 渉外広報本部 広報部 商品広報課 課長 小林 大祐(こばやし・だいすけ)
JAMAブログを監修する各メーカー広報担当者が、クルマやバイクを好きになった、もしくは自動車業界に進もうと思ったきっかけとなった、あるいは業務で携わった「思い出の1台」をピックアップして熱く語ります。その第3回は、スズキの小林大祐さんです。二輪と四輪、電動車いす、そしてマリン製品など、スズキの幅広い製品すべての広報業務を受け持つ商品広報課の課長を務め、同社のモノづくりに対する思いをより広く周知するため日々知恵を絞っています。小林さんの思い出の1台は、同社を代表するロングセラーモデル「ジムニー」です。
―ジムニーを何台も乗り継いでいると聞きました。所有するきっかけは
叔父が所有していたJA11型を譲り受けたのがジムニーとの本格的な出会いです。それまで趣味として二輪車を楽しみ、四輪車には実用性を求める生活を送っていましたが、ジムニーに乗ってそのライフスタイルや趣向が一変しました。初めて未舗装路で運転した時の衝撃は未だに覚えています。両手両足の操作に加え、運転姿勢の適応まで考えなければならない感覚は、二輪車を操る楽しさと相通じるものがあり、快適な移動手段だけではない四輪車の魅力に初めて気付かされました。ジムニーに出会ったことによって四輪車は私の中で、日常生活に役立つ便利な道具という位置付けから、新たにいろいろな場所に行きたくなる相棒のような存在となりました。
―現在の愛車は
JA11型からJA22型に代替し、現在は現行型から1世代前のJB23型に乗っています。JB23型は発売当時、乗用車ライクな内外装に対して賛否が分かれたそうですが、生産期間は1998年から2018年の20年間と歴代で最も長く、20年間で10型が生産されました。先ほど「乗用車ライク」と言いましたが、それは歴代のジムニーを乗り続けたオーナーの声や時代に合った改良を反映させた結果であり、開発思想や理念を一貫して保ちつつ、そういった意見を真摯に取り入れて進化させているところがジムニーの魅力だと考えます。
―広報の仕事での関わりは
ジムニーでの経験や探求心が広報の仕事にとても役立っています。例えば2台目の所有車は、サスペンションが板バネと呼ばれるタイプからコイルを用いた形式に変更され、乗り心地が大幅に良くなっているにもかかわらず、操る楽しさは変わらないどころかむしろ増幅していました。これは機能性や快適性を向上させながらも、本格的な4×4 として必要な基本設計やディメンションなど、コアとなる部分を守り続けているからだと後に学びました。このような実体験と、もっと知りたいという思いが、商品広報としての知識や学習意欲を増やし、開発者の思いを聞く姿勢にもつながっていると感じています。
―ジムニーで得た経験を、今後の業務にどうつなげていきますか
広報の仕事を通して、2018年に国内で20年ぶりとなるフルモデルチェンジの発表に携わり、2年前にはインド・デリーでの「JIMNY 5door」のお披露目にも立ち会えました。ジムニーをずっと好きでいたことへのご褒美かもしれないと思っています。こういった経験を次の世代に継承しながら、ほかの機種や作り手の思いに繋げて、多種多様な商品からスズキという会社をもっともっと知っていただく工夫に繋げたいですね。
また、四輪に限らず、例えば二輪の製品でいえば大型バイクの「隼」も、原付スクーターも 、対象のお客様が違うだけで、実はどちらもその製品をお使いになる方にとって 扱いやすいものとなること を目指しています。そうした製品で皆さまの生活に根差し、貢献することが当社の最も重要な使命 であり、その思いをさらに多くの方々に伝え、理解を深めてもらうことが、広報の仕事でとても大切なことだと考えています。
〈思い出の1台〉
1970年に発売された軽自動車のオフロード四輪駆動車。重量増などの不利を押して、今も強度と耐久性を重視したはしご型(ラダー)フレームや固定式サスペンションにこだわり、本格オフロード車として世界中で評価されている。国内外でサイズを拡大した登録車モデルも追加されてはいるが、55年の歴史にもかかわらず全面改良が少なく、モデルライフが長いのが特徴。
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