高速道でトラック自動運転へ 社会実装プロジェクト、メーカー4社が参画

自動運転「レベル4」(特定条件下での完全自動運転)の社会実装を官民連携で目指す「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」(RoAD to the L4)の取り組みに関する成果報告会が3月、東京都内で開催されました。同プロジェクトは大きく4つのテーマで活動をしており、本稿ではこのうち「テーマ3:高速道路でのレベル4自動運転トラック実用化」の報告について取り上げます。

いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスのトラックメーカー4社が参画。大手物流事業者とも協力し、2021年度から取り組みをスタートさせ、2025年度を最終年度に設定していました。今回、レベル4自動運転トラックの5年間にわたる〝インフラ外部支援システム〟となる標準化・規格化すべき先端技術の検証結果などを取りまとめました。

レベル4は特定の条件下(限定地域・速度等)で支援システムがすべての運転操作を行う段階に当たります。加速・操舵・制動はシステムが担当、ドライバーは不要で無人運転が可能となり、システム作動範囲(条件)から外れた場合や車両が故障した場合などはシステムが自動で緊急停止します。

経済産業省と国土交通省が推進する無人自動運転サービスの実現、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)などを活用した新しいモビリティサービス(MaaS)の普及を図るのが目的で、2026年度以降、高速道路での自動運転トラックの事業化に取り組んでいます。

物流業界でドライバー不足や高齢化が深刻な社会問題となり、宅配需要も拡大する中、無人トラックの自動運転の動きが本格化されれば、膨大な物流需要に対処できる背景もあります。

自動発進の様子

ただ、ドライバーが無人の自動運転トラックを実用化するためには「確実に荷物を配送する高速道路走行の安全性・円滑性を確保、自動運転に伴うコスト面などで物流事業者にとって持続可能なビジネスにすることが必要」(業界関係者)となっています。

車両サイズが大きく、重量物が積み込まれるトラック特有の対応として①本線への合流や障害物を回避するための車線変更②路肩に緊急停止した後の再発進―など、車両に搭載した技術だけで運行を継続するには困難な場面も出てきます。

自動運転実証トラック

このため、プロジェクトでは高速道路で無人の自動運転を実現させるべき外部支援システムとして、路側カメラなどを使った路上障害物検知情報を提供する「先読み情報提供システム」、道路に設置した車両検知センサーを使った「合流支援情報提供システム」を挙げています。

合流支援システムの実証実験

走行時の車両などの異常を検知して遠方から対応する「遠隔監視システム」、高速道路と一般道路の接続地点で自動運転トラックの有人・無人を切り替える「中継エリア」も実用化には重要と訴えています。さらに複数の自動運転トラックを運用するケースでは、中継エリアでトラックの発着を管制する運行管理機能も求められます。

自動運転実証トラック

2025年10月と12月には、新東名高速道路の関東~中京の一部インターチェンジ区間を使い、先読み情報システムや合流支援システムなど外部支援システムの効果を確認する「総合走行実証」を各メーカーのトラック5~6台で実施。こうしたシステムが確立された場合、「高速道路に整備される中継エリア間での幹線自動運転技術の実用化には一定のめどがつく」(プロジェクト関係者)と説明しています。

プロジェクトは2030年度までに、大手物流事業者を中心に関東~関西間を有人の自動運転「レベル2+」(ハンズオフによる先進運転支援システム)とレベル4で10~50台程度を走らせ、事業性や安全性を確立したい方針を打ち出しています。その後、レベル4トラック400~600台程度の運行が見込まれるとみています。

報告会で登壇した小川氏

成果報告会で、このプロジェクトを統括する小川博氏(ネクスティエレクトロニクス技監)は「レベル4自動運転トラックをビジネスに活用できる運用、条件、考え方について整理できた」などと指摘。将来の実装化につながる道筋として、①事業化を目指す物流会社向けレベル4自動運転トラック活用ガイドブック②外部支援システム導入・車両提供事業者向けレベル4自動運転トラックテクニカルガイドブック③レベル4自動運転トラックを広く理解してもらうための動画―を作成し、さまざまな必要な要件を示したと強調しました。

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