第97回都市対抗野球大会~自動車メーカー野球部の大暴れに期待~

社会人野球の夏の祭典「第97回都市対抗野球大会」(日本野球連盟(JABA)など主催)が8月26日、東京ドームで開幕します。全国12地区の予選を突破した31チームと、前年優勝の推薦出場チーム(春日井市・王子)を加えた32チームが参加し、9月6日までの12日間、熱戦を繰り広げます。

今大会に出場する自動車メーカーのチームは、初戦の日程順にHonda三菱自動車岡崎トヨタ自動車Honda鈴鹿Honda熊本の5チーム。本田技研工業は昨年に続き3チームがそろって出場します。強豪がそろう地区予選を勝ち抜いてきた各チームは「目標は優勝」と意気込んでおり、東京ドームでの大暴れに期待が高まります。

初戦で自動車メーカー同士が激突

7月23日に東京都内で開かれた組み合わせ抽選会。ある組み合わせが決まると、会場がどよめきました。東京都・Honda×岡崎市・三菱自動車岡崎。自動車メーカー同士の対戦というだけでなく、屈指の好カードだからです。

Hondaは今年度、JABAの公式3大会を制し絶好調です。4月にJABA静岡大会とわかさ生活JABA京都大会、5月にはJABA九州大会でそれぞれ優勝し、都市対抗野球大会の東京地区予選も3連勝で第1代表での本大会出場を決めました。対する三菱自動車岡崎は昨年準優勝の超強豪チーム。優勝候補筆頭と言われているHondaとどう戦うか、戦術を練っていることでしょう。

また、出場する自動車メーカーのチームのうち、三菱自動車岡崎以外の4チームはいずれも昨年の都市対抗野球大会で初戦敗退し、涙をのみました。東京ドームに駆け付ける何万人もの応援に応えるべく、各チームは一丸となって「一戦必勝」と奮起しています。

本大会出場を決めた時の写真とともに、出場5チームを初戦の日程順に紹介します。

東京地区第1代表・Honda(東京都)

埼玉から東京に所属を移して3年目で第1代表に駆け上がりました。2年連続39回出場の強豪チームです。今年度は投打に隙がなく、破竹の勢いと評されています。4、5月に優勝した3つの主要JABA大会ではすべての決勝で本塁打が飛び出し、接戦をしぶとく戦う投打力があります。6月の東京予選の第1代表決定戦も、先制されながらも2本塁打で逆転。この勢いで2020年以来6年ぶり4回目の優勝を狙います。同地区で出場を逃した明治安田から3人の補強選手を獲得しています。

東海地区第4代表・三菱自動車岡崎(岡崎市)

昨年の決勝戦で敗れた雪辱を果たすべく臨む今大会は、4年連続16回目の出場。第4代表決定戦は2014年に優勝した西濃運輸(大垣市)と緊迫感ある接戦を繰り広げました。2番手で救援した田中啓斗投手は、西川尚希捕手のリードのもと粘り強い打線を真っ向から攻め、チームの勝利をつかみました。優秀選手にも選出され、本大会出場を決めた瞬間には捕手と抱き合って喜びました。補強選手は、ヤマハ(浜松市)から2人、JR東海(名古屋市)から1人です。

Hondaと三菱自動車岡崎が激突する“自動車対決”は、8月29日午後6時にプレーボールです。

東海地区第2代表・トヨタ自動車(豊田市)

2016年と2023年に優勝しているトヨタ自動車は、第2代表決定戦で三菱自動車岡崎にサヨナラ勝ちで12年連続28回目の本大会出場を決めました。強力打線を相手に投手リレーが際立ちました。チームには日本代表(侍ジャパン)に選ばれている嘉陽宗一郎投手などスター選手も多く、東京ドームという大舞台に強い印象です。ヤマハから3人の補強選手を獲得しており、初戦は8月30日午前10時、福山市・倉敷市代表のJFE西日本と対戦します。

東海地区第6代表・Honda鈴鹿(鈴鹿市)

Honda鈴鹿は2年連続28回目の出場で、東海地区第6代表。2次予選は初戦から2連敗で最後の1枠となる第6代表決定トーナメントに回ることになり、土俵際からの4連勝で本大会代表権をもぎ取りました。抑え投手で全6試合に登板し、14イニング無失点の活躍を見せた川原嗣貴投手が優秀選手に選ばれました。ヤマハから2人、日本製鉄東海REX(東海市)から1人の補強選手を獲得しています。初戦は8月30日午後2時、東京都代表のJR東日本と対戦します。

九州地区第2代表・Honda熊本(大津町)

九州地区第2代表のHonda熊本は、2年連続19回目の出場。第2代表決定戦での勝利にはドラマがありました。今年2月に体調を崩して入院、手術を経て復帰し、今季公式戦で初スタメンに起用された江頭且行選手が8回に決勝となる逆転2ランを放ち、“大抜てき”に応えたのです。今予選の敢闘賞にも選ばれ、特別な思いで本大会を迎えます。西部ガスから3選手を補強し、8月31日午後2時、東京都代表の鷺沼製作所と初戦を戦います。

Honda熊本は、令和8年熊本地震で被災した熊本製作所を拠点とするチームです。工場が復旧作業に取り組む中での本大会出場となりました。震災という逆境を乗り越え、本大会での活躍が期待されます。

もう1つの見どころ、「大応援団!」

社会人野球の「都市対抗野球大会」に出場するチームのほとんどは企業のチームです。(※一部、地域の野球部で複数の企業が支援しているチームもあります。)それぞれのチームには応援団があり、スタンドでは“本気の”応援合戦が繰り広げられます。

応援団長がリーダーシップをとり、団員、ブラスバンド、チアリーダーを統率します。グラウンドに面した1、3塁側アルプススタンドの最前部に設置される応援台の上で団員がスタンドの観客をリードして声援を送り、時にはご当地のゆるキャラや企業キャラクターの着ぐるみが登場します。

自治体と企業が一体となって応援するため、市長や町長、企業の社長が参加することもしばしばあり、その本気度を示しています。大会は、一度敗退するとそこで終わりというトーナメント形式のため、監督と選手らが最後の1球まであきらめずに戦う気力をスタンドから後押しするという姿勢の表れでもあります。

また、応援団によるチームの盛り上げや郷土色を織り込んだ演出などを表彰する「応援団コンクール」があり、最優秀賞、優秀賞、敢闘賞、MIC賞(ファン投票で選ばれるMost Impressive Cheer賞)が贈られます。

もちろん、自動車メーカーの各チームにも大応援団があります。洗練された軽快なブラスバンドの演奏、きびきびと力強い応援団の動き、華麗なチアリーダーの踊りなど、スタンドにも見どころが満載です。大会期間中に東京ドームに足を運び、グラウンドの熱い戦いと併せて大応援団の熱気を浴びるのも、都市対抗野球大会の魅力です。

総務大臣賞に岡崎市

社会人野球を通じて地域の活性化や一体感の醸成、スポーツ振興に取り組む自治体に贈られる「地域の元気 総務大臣賞」に、岡崎市が選ばれました。毎年、出場する自治体の中から1つの自治体に贈られる賞で、8月26日に東京ドームで行われる開会式で表彰されます。

同市は「岡崎アスリート支援事業」の重点支援第1号に三菱自動車岡崎硬式野球部を選び、SNSなどでチームの活動を発信。野球部は地元を挙げて応援されるチームになっています。野球部も小中学生、高校球児を対象に選手による野球指導室を開催し、次世代育成に協力しています。

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